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　MF野津田岳人にとって、仙台で過ごした1年半は飛躍の時となった。

　リオデジャネイロ五輪出場を目指し出場機会を求めて、生まれ育った広島を離れ、新潟、清水と期限付き移籍を繰り返したが、五輪出場はならず、出場機会にも恵まれない苦しい日々を送った。しかし、仙台移籍後は「またサッカーが楽しいと思えるようになった」と語った通り、シャドー、インサイドハーフ、ボランチとあらゆるポジションで主力として活躍を見せ、輝きを放ち続け、笑顔を見せる機会が増えた。

　今シーズンは、公式戦15連戦という厳しい日程の中でも、活動量がほとんど落ちず、どの試合もピッチ狭しと走り回り続けた。技術の高さは年代別代表の時から定評があったが、走れる選手になったことで、プレーの幅も大きく広がった。この1年半で中盤のオールラウンドプレーヤーとして大きく成長を遂げることに成功した。

　そして、今シーズンは昨シーズン、仙台の選手として出場することができなかった天皇杯にも出場。初戦となった2回戦・群馬戦で先制ゴールを決めたのは野津田だった。大会を締めくくる準決勝、そして決勝でもゴールを決めて、この1年半の総決算としたい。持ち前の活動量と技術の高さを発揮し、残り2試合チームの柱としての活躍を期待したい。