NEW HERO

FW 19 ジャーメイン 良 Ryo GERMAIN

1995年4月19日生まれ 182cm / 75kg 神奈川県出身
南毛利FC→FC厚木JrユースDREAMS→流通経済大学付属柏高→流通経済大(2017年/JFA・Jリーグ特別指定選手)→ベガルタ仙台(2018年加入)

高速でゴールに迫る。
チームを新たな歴史に導くFW。

 10月24日のヤマハスタジアム。天皇杯準々決勝・磐田戦も終わりに近づいてきた86分、ジャーメイン良は野津田から自分にボールが送られてくると、トラップでおさめることよりもダイレクトのシュートを選んだ。阻止しようとした相手DFに当たってコースが変わると、ボールは相手GKの伸ばした手に触れることなくゴールに転がり込んだ。1-1。試合を振り出しに戻す一撃だった。

 早い時間帯に先制を許し、0-1で迎えた63分、ジャーメインはピッチに送りこまれた。「とにかくシュートで終わることを意識して、ピッチに入っていました」。FWとして、何が何でもゴールを奪うべく、ジャーメインは守りを固める相手に割って入った。

 そして、冒頭の場面である。自陣からのパスワークの中でジャーメインが相手ゴール近くに進出したところで、野津田からパスが送られた。「ガク君(野津田)が(ボールを)持った時に内側のスペースが空いていたので、走りこんで、もらって、その前にダイレクトで打つイメージがありました」。その時、既にゴールへの軌跡が思い浮かんでいた。また、「下が濡れていたので、ゴロのシュートは狙っていました」と、ピッチコンディションも瞬時に判断して脚を振り抜いた。実際のシュートコースは少し外れていたが、思い切ってシュートを打った者にこそ、ゴールの名誉は与えられる。相手に当たるという幸運もあったが、それも彼がFWとして勝負したから呼び込めたものだった。

 ジャーメインはPK戦でもキッカーを務め、「PKには自信があるので、落ち着いて決めることができました」と仕事を果たす。9年ぶりの準決勝進出において、大きな仕事を果たした。そして若きFWは、この先の舞台でも仕事を果たそうと燃えている。準決勝の組み合わせを知ると「自分は一年目ですが、ダービーマッチであることは知っています。しっかり勝って、ファイナリストの切符をつかみたい」。9月2日に練習試合で山形と対戦したときに、自ら獲得したPKを決めたジャーメイン。高速でゴールに迫る若き点取り屋は、今大会3点目以降を決め、チームを初の決勝戦に導こうとしている。