2024J1昇格プレーオフ 準決勝 V・ファーレン長崎 2024年12月01日 (日) 13:11 キックオフ PEACE STADIUM Connected by SoftBank
0 前半 1
1 後半 3
試合経過(得点、選手交代、警告、退場)
スターティングメンバー
GK | 21 | 若原 智哉 |
DF | 8 | 増山 朝陽 |
DF | 4 | ヴァウド |
DF | 5 | 田中 隼人 |
DF | 23 | 米田 隼也 |
MF | 17 | 秋野 央樹 |
MF | 35 | 安部 大晴 |
MF | 6 | マテウス ジェズス |
FW | 7 | マルコス ギリェルメ |
FW | 11 | エジガル ジュニオ |
FW | 33 | 笠柳 翼 |
控え
GK | 31 | 原田 岳 |
DF | 25 | 櫛引 一紀 |
DF | 44 | 青木 義孝 |
MF | 14 | 名倉 巧 |
MF | 20 | 中村 慶太 |
MF | 24 | 山田 陸 |
MF | 38 | 松澤 海斗 |
スターティングメンバー
GK | 33 | 林 彰洋 |
DF | 25 | 真瀬 拓海 |
DF | 22 | 小出 悠太 |
DF | 5 | 菅田 真啓 |
DF | 32 | 奥山 政幸 |
MF | 10 | 鎌田 大夢 |
MF | 17 | 工藤 蒼生 |
MF | 11 | 郷家 友太 |
MF | 14 | 相良 竜之介 |
FW | 7 | 中島 元彦 |
FW | 98 | エロン |
控え
GK | 1 | 小畑 裕馬 |
DF | 39 | 石尾 陸登 |
MF | 6 | 松井 蓮之 |
MF | 8 | 松下 佳貴 |
MF | 24 | 名願 斗哉 |
MF | 27 | オナイウ 情滋 |
FW | 9 | 中山 仁斗 |
DATA
○入場者数/20,001人
○天候/晴時々曇、弱風 ○気温/17.6℃ ○湿度/46%
○ピッチ/全面良芝 ○時間/90分
○主審/今村義朗 ○副審/西村幹也 道山悟至
COACH INTERVIEW監督記者会見
選手のハードワークに尽きるかな、というところです。
一人では止められない選手が前に並んで、一瞬の隙で、これまでここ数試合だけを見てみても単独で二人、三人とかわして、一気にカウンターで点を取ってしまう外国籍選手への対応とかも、かなり苦戦することは予想されました。しかし、そこに入れさせる回数を極力少なくというところでは、かなりコンパクトなブロックでそこに入れさせなかったのは大きかったなと思います。アンカーの秋野(央樹)選手からいいボールが配球されて、展開されて、サイドに振られて、揺さぶられて、最後に中で刺されるようなシーンをあまり作らせずに、どちらかというとセンターバック回しのサイドに展開で、そこからがんばって守るみたいなところで、守備はうまくできました。二、三回危ないシーンがありましたけれども。
攻撃は、逆に思った以上に、前半からボールを動かすことができて、チャンスもできて、「あ、これは1点入りそうかな」という空気は最初からありました。予想では前半は0-0もしくは0-1でOKと選手とは話していたのですけれども、逆に1-0で帰ってきて、いいんだけれどもどっちにしろ1点を入れられるからもう1点入れないと勝てないよ、というところでは、2点どころか4点でした。点数の入る時間帯も良かったですし、2点目が大きかったですね。よく郷家(友太)が粘って、真瀬(拓海)が入れて、エロンのシュートでしたけれども、2点目を取れたところでちょっとしっかりブロックからのカウンターを狙っていけました。そこは我々のところもカウンターでシュートまで持っていける力のある選手がいるので、そういう意味ではいいかたちで試合を運ぶことができたかな、というところです。
シーズン中に4点を入れることがなかったので、誰一人、というか私自身も選手には、いろいろなシナリオを言っていて、2点差以上で勝つのは5%という話をしていて、1点差で勝つのは3、40%という話をしていたのに、4点入るというのは私もまったく1%も予想していませんでした。1点は入れられるという想定でやっていたので、あの1点で動じることなく、「1点はくれてやれ」とずっと言っていたので、その1点でおさえることができたというのが勝因かなと思います。
- コンパクトなブロックが効いていて、アンカーの秋野選手からのボールをうまく制限できた要因はどこにありますか。
相手も変化しながら、ボランチが落ちて3-1を作るなどしていたのですが、うまく最初のエロンと中島(元彦)のところでうまくアンカーを消しながら、3枚作ったときの3のところに入るときに、普段はチャレンジするときにジャンプを狙うところをちょっと自重して、もうちょっと入ってくるところを狙うように今日はやっていました。うまいこと、相手にチャンスを与えないという意味ではよかったですね。いつもの我々であればあそこで三枚目が出て、奪って、ゴールというチャンスを作るところをちょっと自重して、あの外国籍選手たちにスペースを与えないというところでは、前半は0-0でいいというところから逆算して、ちょっと三枚目のチャレンジを自重しました。そこはうまくFW二人が広く守って、かなり運動量も要求されてエロンも後半の早くにつってしまったのですけれども、それくらいハードワークしてくれたおかげで後ろがだいぶ楽に守れたんじゃないかと思います。
- 2点目の郷家選手が足を伸ばしたところとか、セカンドボールでも仙台の分がよかったと思いますけれども、そのあたりはどう評価されますか。
そのへんはもう、思いというか、みんなのこの試合にかける思いが伝わってきて、あれ(2点目の場面)も郷家がぎりぎりで足を伸ばしてラインを割らなかったところが、要因になりました。そういう細かい一つひとつ、「このくらいでいいや」で終わってしまうところをずっと言ってきたなかで、みんなしっかり体現してくれたと思います。
- 「あと一勝」というところまできましたが、この勝利をどのようにつなげていきたいですか。
次が岡山になるかもしれませんが、またアウェーで、今回もかなりの移動でしたけれども二戦連続で、しかも一週間ない中でまた明日に一日をかけて移動して、帰ってあまり準備もできないまま、また大きな移動というところではかなり肉体的、精神的な、今日の試合の疲れもあると思います。それをいかにまたフレッシュな状態にできるかというところが鍵になるかなと思います。あとは、岡山には二連敗、しかもボロボロにやられているので、そのうえで勝たなければいけないというところでは、我々にとっては難易度が極めて高いゲームになると思いますが、だからこそ「よし、やったろうじゃないか」というところだと思います。
- 今季最多の4得点は、PKを取った場面も含め右サイドからの攻撃が効いていましたが、その狙いと評価を教えてください。
相手も試合前に、テクニカルの出口(拓馬)コーチがもともと長崎にいていろいろしゃべっていたら、向こうのスタッフに「お前らどうせ真瀬上がりの三枚気味でやるんだろう」みたいに全部読まれてはいました。しかし、我々も「どうせお前らそこを突いてくるんだろう」という感じで、そこを突いて、逆に相手の左が守備をしないといけない状態にできていたというか、そこは大きかったと思います。小出(悠太)のところからも、前半はちょっと不安定なフィードもありましたけれども、うまく背後も見せながら、真瀬のちょっと高い位置にパスが通ってそこを起点にという攻撃は、まあまあ効いていたかなと思います。
- 「このスタジアムの雰囲気に慣れるまでが鍵になる」という話をしていましたが、実際にどのくらいで選手たちが慣れたと感じましたか。
ずっと「お前ら、どうせ緊張してちっちゃくなっちゃうんだろう」とだいぶ言っていて、そういう心配もあったなかで、だからこそ「最初はシンプルにやろうぜ」という話をしてました。相手をひっくり返してそこからプレスをかけて、とは言っていたのですけれども、意外と落ち着いて最初からボールを動かせる場面もありました。特に試合の入りではこちらが先に相手のゴール前に迫れていたところがあったので、「ああ、すんなり入ったな」と思いました。
ここでの長崎さんの3試合では平均で4.3点くらいを決めていたなかで、序盤に相手が慣れずに雰囲気に飲まれて、20分くらいは慣れない戦いをしていました。ずっと選手たちに「20分くらいはどのチームもそうなっているから、なりたくはないけれどもどうせなるんだろう」みたいな感じで言っていたのですが、意外とならずにできたので、そこは良かったと思います。
- 2点差以上で勝てる確率を5%としていたとのことですが、それを打破できた要因はどこにありますか。
思いとか、気持ちが強い子が多く、去年は16位で悔しい思いをして、こんなに悔しい思いはしたくないというところからスタートしました。こういう上がるチャンスが滅多にない中で、最後に滑り込んでプレーオフまでいけたところで、このチャンスをつかみたいという思いは強いし、その気持ちが強い選手が多いかなというところでは、この中断期間で、それも煽りながらきました。中断明けにはずっと、清水さんに勝たせてもらったり、ここぞというときに横浜FCさんにも3-0も勝ったりして、ここぞというときの集中力がかなりいいレベルに来たときにはかなりいい試合ができて、ちょっとそうじゃない試合もあるところがまだまだ足りないというか我々に成長の余地がある部分です。今日のような、どう考えてもサッカー関係者の9割くらいは「長崎が普通に勝つでしょう」というところで反骨精神を持ちながら食らいついて、噛みついていくところにうまく乗っかってくれて、良いゲームができたかなと思います。
- 今日もサポーターが多く駆けつけましたが、その思いはどう受け止めていますか。
たくさんの方に、こちらに来る前に「長崎に行きますから」と言っていただいて、私も「三十人力でお願いします」と言っていたのですが、最後の一週間くらいは「百人力でお願いします」とお願いしていたのですけれども、本当にそのくらいでした。ほかの試合を見ると会場全体が長崎のファンで、アウェー側がいいプレーをしてもシーンとなるくらいだという話を聞いていたので、今日は約2000人のサポーターのみなさんの、「仙台レッツゴー」も聞こえました。あとは仙台の方でもパブリックビューイングを複数会場でやっていただいていて、そちらの方の声や思いを受け止めようぜという話は試合前からしていたので、そういうみなさんの気持ちが我々の背中を押してくれたかなと思います。今日のサポーターのみなさんにも、本当に「パワーを我々に与えてくれてありがとう」と言いたいです。
あまり相手側に失礼にならないように静かに喜べればいいですけれども、今、選手たちには「喜ぶのは今日の夕ご飯までにして、自分の部屋に入ったらもう次の準備をしないと」と言いました。今日は長崎の選手がものすごく悔しい思いをして、それを慰めて励ましにいってくれたことはスポーツマンシップでいい姿だったと思いますけれども、「来週に僕たちがこうなるかもよ」という話はしました。その可能性はまあまあ高いと思うので、自分の中ではまったく喜べないし、次に勝たなかったら泣くだけなので。岡山さんも途轍もないエネルギーをかけてくると思いますし、そこはまたちょっと策を練りたいと思います。
- 「このくらいでいいだろう」を許さない意識は、どうやって植え付けたのですか。
やはり昨年にふがいないというか、16位で終わって、22チームで後半戦だけでいうと21位だったので、坂道を転がり落ちるように運動量やスプリント回数や強度が落ちていって、11戦勝ちなしとか本当に悔しい思いをした選手たちが今年のキャンプからみんな「これじゃ駄目だよね」というところを共有し合って、「じゃあやろう」「やるよ」というところでかなり厳しいトレーニングとか、強度を求め、運動量を求め、スプリントを求め、そのなかで徐々に質や攻撃の連係とかは高めてきたつもりですけれども、本当に練習からそれをやっているので、そこは当たり前のようにみんなが「こうだよね」というのは共有できています。
次のゲームは、3バックの相手でかなり噛み合わない部分で苦戦した部分がありますし、ルカオ選手みたいなちょっと大きくて速くて強い相手にはちょっと苦戦するので、今日はいいレッスンをさせてもらいました。それを生かしてなんとかこっちもやられてばかりで二戦ともまあまあ情けない敗戦だったので、なんとかして払拭できるように、こっちも考えますし、選手自身にもこのチャンスをつかむのは並大抵の試練ではないと思うので、それは人ごとではなく当事者意識を持って、選手自身もこれを勝ち取るか、最後にピッチに倒れて涙するのか、今から本当にしっかり、そうならないためにどうするか、我々スタッフもなんとか死に物狂いで策を練って、でも基本は戦う姿勢やハードワークとかです。
今日はスタッフの部屋にDAZNがあって、そこでのコメントが「仙台はハードワークと戦う姿勢」くらいしか言われていなかったので、それはそうだけれども攻撃陣が今日は4点入ったので、そのへんも褒めてほしいかなとは思いました。けれども、ベースとなるものは集中力とか相手より走る、相手よりも切り替え速く、相手よりも戦って、球際で負けずにゴールネットを揺らさせないため体を張って、みんなでゴールネットを揺らしにいくチャンスを感じたら、そこにエネルギーをかけていくという大きいところは変わらないので、次もそのパワーを出せるかどうかだと思います。二回とも負けているので、その借りを返さないと悔しいので、ここは絶対になんとかして借りを返したいと思います。
FW 7 中島元彦選手
応援が両チームともすごかったし、スタジアムの距離も近くて吹田の(パナソニック)スタジアムを思い出した感じで「今日はやれるな」と思いました。良かったです。
(先制点のPKは)最初はちょっと緊張したので「どこに蹴ろうかな」と思っていて、ゴール裏のサポーターが煽ってくれたので、ちょっと自分を取り戻せたというか「負けられへん」と、真ん中に打ちこもうと思っていました。
(チームの4点目となったゴールは)正直、足もつっていて、走れないくらいだったのですが、チャンスの場面で走らず後悔したくはなかったので、走れそうだったことで「これを走って決めて交代したろう」と思ってダッシュしました。(松井)蓮之がニアで引っ張ってくれて、あとは疲れて力が抜けていました。
(決勝戦に向けて)けが人も復帰して、いい練習があるからこそ試合でいい結果が残せているので、今日のベンチ外の選手も別に諦めていないと思うし、そういう選手もアピールして試合に出て結果を残せることはありうるので、また戻って競争をして、チーム全体でいいものを作り上げていければと思います。
MF 11 郷家友太選手
本当に、一言で「死闘だった」と思います。「1点を取られても焦らないでいこう」とチームでは話し合っていたのですが、うまく落ち着いて自分たちが取れて折り返して、逆に長崎が焦って前からくることを想定していたので、その空いたところをうまくみんなでスペースができていた中を突けたと思います。
(2点目につながる粘りは)止めようと思ったのですが前に流れてしまったので、相手が体を入れてくることはボールの軌道とスペースでわかっていました。逆に相手が油断しているんじゃないかと思って足を伸ばして、真瀬(拓海)も見えていましたし、うまいところに流せたと思います。本当に、執念だったと思います。
選手だけが戦っているわけではないし、僕たちが出発する前にユアスタでいろいろやってくれていたことも知っていたので、その人たちの期待に応えたい思いもあって、僕が決めたときもエロンが決めたときも、スタンドに向かって一緒に戦っている意思表示をしようと思っていました。自然にそれが出たのですが、一緒に戦っている一体感は今日もすごく、見ている人も、やっている僕らも、みんなが感じたと思います。
(決勝戦に向けて)中断期間でいろいろ長崎対策もできていましたが、次は一週間しかないので、この一週間でも濃い一日を過ごせると思いますし、一日一日を大切にしながら、ミーティングも含めて練習をしながら過ごしたいと思います。