
明治安田J2リーグはまだ序盤ではあるが、一気にスタートダッシュで抜け出したチームはない。戦力が拮抗し、上位と下位の勝点差もまだ離れていない。ベガルタ仙台はアウェイが続いた最近の2試合を連勝したことにより、首位になってホームに戻ってきた。だがここで一息つく者はいない。森山佳郎監督は「まだ本当に内容で圧倒できて勝っているわけじゃない。ここからが正念場という感じです」と気を引き締めた。無敗の9月を受けたこの10月はホーム・ユアテックスタジアム仙台での試合が多い中、成長を続けながら一つひとつの試合で勝利をつかみ、着実に前へ進みたい。
10月の初戦となるこの第9節で迎える相手は磐田だ。曲者揃いのJ2クラブの中でも、個人能力の高い選手が数多く揃う。GK1川島永嗣を始めとした経験豊富な選手もいれば、若きテクニシャンMF33川合徳孟のような伸び盛りの選手もいる。強敵ではあるが、仙台がJ2優勝を達成するためには、こうしたハイレベルな選手の集うチームに対しても持てる力を示して勝つことが大事だ。驕らず、かつ怖れず、挑みたい。
磐田の攻撃は様々なエリアで技巧と推進力を発揮してくるため、どのポジションの選手も注目点といえる。だが最も脅威となりうるのはトップ下の元日本代表MF23乾貴士。高い技術と豊富な経験に裏打ちされた戦術眼で、相手の隙を見つければパスやドリブルで破る。単独でも、周囲の選手を生かすプレーでも、守る側にとってはやっかいな相手だ。仙台としては1対1で激しく寄せたり、中盤のスペースを狭めたりして、この乾を中心とした攻撃の機能を失わせたいところ。トップのFW99ジョアンヴィクトルへのパスのルートを断ったり、左サイドのMF31イアゴテレス、右サイドのFW47佐藤大樹といった中央に切れこんでくる選手たちとの距離を遠ざけたりすることが重要だ。中盤のプレスの担い手であるMF6松井蓮之やMF17工藤蒼生、最終ラインのDF44井上詩音やDF19マテウスモラエスらの厚い守備で、中央のエリアで相手の仕事場となる場所を閉めてしまいたいところだ。
そして仙台が攻撃に転じれば、相手が守備体勢に切り替える前に得意の速攻を中心に攻め立てたい。前節のいわき戦では、相手に押される苦しい展開の中で井上が最終ラインから勇気を持って縦パスを打ちこみ、それが合図となって中央でパスがつながり、相手の守備ブロックをずらした。そして左サイドでフリーになっていたDF42石井隼太にボールが渡り、ここからのクロスをFW18梅木翼が得意のヘッドで決めた。この磐田戦でも、攻守の切り替えを相手より素早くして、相手の守備をFW7中島元彦やMF27岩渕弘人らの鋭い動きでゴール正面から崩せれば、チャンスは広がる。
序盤の試合だけでも厳しい展開を何度も経験し、そのたびに成長してきた仙台。今節も強力な相手に打ち勝つことで新たな武器を身につけ、また1つのBREAK THROUGH を果たそう。