●掲載日:2021年11月5日
宮城県仙台市で創業し、企業向けのイベントを手がけている株式会社エス・ブイ・シー ホールディングス(SVC)さま。仙台から営業エリアを広げ、ほぼ全国をカバーされています。ベガルタ仙台のユニフォーム胸上部スポンサーをはじめ、幅広いご協賛に込められた熱い思いについて、代表取締役の小林康隆さまにお話をうかがいました。(以下敬称略)
——ベガルタ仙台とのつながり、スポンサードのきっかけを教えてください。
小林 私はずっとベガルタ仙台のサポーターで、ずっとスタジアムに駆けつけて、J2からJ1に上がったときには抱き合って涙を流したくらいベガルタが好きです。もともと青森で生まれ、東京で就職し、仙台で起業して移り住みました。仙台に骨を埋める覚悟をしていた中でベガルタに出会い、のめり込みました。
そのなかで、ベガルタを昨年3つのバッドニュースが襲いました。債務超過、成績の低迷、そして選手の不祥事が全国ニュースで取りあげられました。「このままではサポーターが離れてしまうのではないか」と危機感を抱きました。ベガルタには、ユアテックスタジアム仙台で最高の雰囲気を作り、他のクラブからもリスペクトされるサポーターがいます。彼らはJ2に落ちたときも見捨てませんでした。彼らがもし離れてしまったら、取り返すのは大変だろうし、クラブ存続の危機になってしまいます。
そこで、3つのバッドなニュースを跳ね返すには、3つのグッドなニュースが必要だと考えました。債務超過については経営責任を誰かがしっかり取る。成績低迷については、「この人が来たら成績が上がるんじゃないか」という期待感をサポーターに持たせるような監督が誕生すること。そして3つめに、今までになかったようなスポンサーが新たに加わり、「応援するぞ、支えるぞ」とサポーターに伝えることです。
その3つめを僭越(せんえつ)ながら応援させてもらいたいと思いました。それが、昨年スポンサーになった理由です。
——ユニフォームの胸上部スポンサーや、ベガルタチアリーダーズの活動などへご協賛をいただいています。
小林 まず、ユニフォームの胸上部については、ベガルタでは誰も経験したことのないスポンサーだというお話を聞き、決めました。サポーターの反応が気になっていたのですが、実際にものすごく喜んでいただけました。インターネットでの反響も大きく、”SVC”というワードでの検索が一晩で1000件を越えるほど一気に増えましたし、私の名前まで検索数が増えました。こんなに早く反応があって、喜んでもらえて、まずはやって良かったと思いました。
やはりベガルタ仙台のスポンサーになることのインパクトは大きいと肌で感じましたね。社員にも喜んでもらえたし、会社に対する帰属意識が上がることも大きかったと思います。自分たちも成長しなければいけない、ベガルタのスポンサーになった企業の社員としてやらなければいけないという自覚もできたと思います。採用についても、好影響が出ています。
ベガチアについても活動をぜひ支援しようと考えました。10人以上が踊っている姿を見ると嬉しいですよね。彼女たちの応援する姿勢は、社員にとっても大事なことだと思っています。こうした支援は、広告効果というより、地域に貢献できる点を重視しています。応援したい思い、地域を愛する思いが仕事に波及する。そしてお客様に反響をいただき、支援している姿へ評価をいただく。すべて、大きなことです。
——今後はどのようなかたちでベガルタ仙台と関わっていきたいですか。
小林 今(※11月1日時点)、チームは成績で苦しんでいます。この状況は、昨年スポンサーになろうと決めたときの気持ちに近いのですが、私どもはJ2に落ちるかもしれないからスポンサーをやめるとか、そういう気持ちでやっているわけではありません。ベガルタ仙台はどこにいてもベガルタ仙台で、それを愛するサポーターはJ1でもJ2でも同じサポーターです。私どもとしては、来年もスポンサーでいて、なんならもっと強く応援したい、という気持ちです。
この場をお借りしてサポーターの方々には「ぜひ、一緒に応援しよう!」という言葉を届けたいと思います。スポンサーとしてできることに限界があったとしても、まず今シーズンはJ1残留のため全力で戦うチームを応援しますし、最終的にどんな成績になったとしても来年も支援することを決めました。「一緒にやろうよ!」と、サポーターの方々には言いたいですね。それが私の今の気持ちです。
立場は違っても目的はひとつです。ベガルタが勝って私たちの希望の星になるところを、みんなで支えていきましょう。
SVCさまがスポンサーシップを決めたとき、社内の全拠点をネットでつなぎサプライズで発表したそうです。社員の方々はもちろん、そのご家族からも驚きと喜びの反応が大きかったとのこと。「地域を盛り上げることは、クラブだけでもスポンサーだけでもできないので、サポーターの方々も一緒に、一体となってやっていければ」という小林さまの言葉には、熱い思いが込もっています。
●取材日:2021年11月1日