いよいよ始まった2022シーズン。今季を明治安田生命J2リーグで戦うこととなったベガルタ仙台は、ホームで迎えるこの開幕戦での勝利を目指す。J1復帰に向け、弾みをつけたい一戦だ。
対戦相手の新潟とはJ1でもJ2でも何度となく顔を合わせてきた相手。今季は松橋力蔵新監督のもとで新たなチームを作っているところだが、ここ数年に磨いてきたボール保持をベースとしたスタイルは浸透している。仙台もゲームを動かすうえで「昨季よりボールを握れるように」(原崎監督)とパワーアップをはかっているが、ボールをめぐる攻防は両者簡単には譲らない激戦となるだろう。
新潟はMF10本間至恩やMF33高木善朗といったボール回しの核になりうる人材を多く有しており、彼らの高い技術や、パスコースを作る動き、ポジショニングが噛み合ったときはボールを容易に相手に渡すことはない。GKや最終ラインから前線までのボール回しが整備された様は、見応え十分。多くの人数がボールを回しながら相手陣内に侵入してくる厚い攻撃は、ホームでもアウェーでも相手の脅威となる。
確固たるスタイルを構築したアルベル監督はFC東京で指揮を執ることになったが、コーチとして支えた松橋力蔵氏が監督に昇格。チームのベースは引き継がれており、スタイルの進化は円滑に進められている。そこに、MF13伊藤涼太郎やMF22松田詠太郎といった中盤でボールを動かせる人材が補強され、ボール回しの質は上がっている。
昨季よりもボール保持を目指す仙台にとっては、初戦から厄介な相手と当たることとなった。ボールを持ちたいけれど持たれるような、もどかしい時間が長くなるかもしれない。だが焦れずに反撃の機を待ち、ボールを奪ったら原崎監督が目指すように相手が攻撃体勢に入ったときに空けたスペースを迷わず突くポジションをしっかり取りたい。相手の攻撃から守備への切り替えを上回る早さでボールを動かし、ゴール前まで運べるかどうかが勝負の鍵だ。相手の急所を素早く見極めてパスやシュートを通すMF50遠藤康、ラストパスを的確にゴールへ流しこむFW9中山仁斗といった新戦力には、早速仙台でその能力のお披露目を期待したい。
まだユアテックスタジアム仙台で声を出すことはできないが、ベガルタ仙台の新たな船出を見守るサポーターが、数多くこのホーム開幕戦に駆けつけるだろう。彼らの熱い後押しを受けて勝利し、2022シーズンの第一歩を力強く踏みだそう。