明治安田生命J1リーグ第36節・湘南戦。J1残留のライバルとの直接対決。絶対に勝利が必要な試合だったが、早い時間帯に失点。その後も何とか追いつこうと決定機をつくったがゴールを奪えない。後半も立ち上がりにFW42富樫敬真やFW15西村拓真がゴールに襲いかかるがあと1歩で得点に至らない。そんな中、またしてもミスから失点。試合終盤にはDF5アピアタウィア久を最前線に上げ、得点を目指したが、ゴールは奪えず0-2で試合終了。この試合後の清水の結果により、J2降格が決まった。仙台に関わる誰しもが望まなかった結末。ユアテックスタジアム仙台が深い悲しみに包まれた日となった。
翌週。手倉森誠前監督が退任し、育成・強化のサポートをする形でクラブを支えることが決まった。そして、これまでヘッドコーチを務めてきた原崎政人監督の就任が決まった。原崎監督は「自分たちがアクションを起こしたい。攻撃も守備も主導権を握りたい」と、もう1度チームに躍動感を与えようと前節・福岡戦に挑んだ。前半セットプレーから失点を喫し、0-1で前半戦を終えたが、後半に入りチームは果敢にゴールに襲いかかった。49分MF6上原力也のコーナーキックをFW33フェリペカルドーゾがヘディングですらし、ファーサイドに飛び込んだのはMF32氣田亮真。64分には上原のコーナーキック、フェリペカルドーゾのすらしというほぼ同じ形でボールが回ってきて今度はボレーシュートを決めて逆転に成功する。「降格が決まってサポーターに申し訳ないですし、僕個人としてテグさんにも申し訳ない」と長崎時代からの恩師の期待に応えきれなかった無念さを2ゴールという形で表した。このまま勝ちきりたかったが、終盤失点を喫して2-2の引き分け。それでも「後半相手のスペースを突いて多くのチャンスを作りに行くことができ、ゴールに向かってくれたと思う」と選手の奮闘を称えた原崎監督。この試合で見せた躍動感をさらに高め、最終節鹿島戦に挑む。
対戦相手の鹿島は今シーズン途中の4月14日より相馬直樹監督が就任し、シーズンの大部分を戦ってきた。現在4位と健闘を見せ、来シーズンのACL出場の可能性を残す。ここ5試合も負けなしと好調だ。U-24日本代表として東京オリンピックにも出場したFW18上田綺世がここまで14ゴールとエースストライカーに成長。さらにはMF13荒木遼太郎も10ゴールとブレイクした。直近3試合無失点の守備陣もDF28町田浩樹、DF33関川郁万のセンターバックコンビが安定感を見せている。
今の仙台にとって強敵であることは確かだが、仙台としては前節・福岡戦のように、攻守で積極的な姿勢を見せたい。パスをつなぐ形、背後を狙う形、どちらにしてもミスを恐れずにゴールに向かっていきたい。
まずはこの最終節で勝利し、今シーズンを良い形で終えて、良い形で来シーズンにつなげよう。