明治安田生命J1リーグは今節で前半戦が終了する。仙台は序盤戦なかなか勝点を積み上げられなかったが、フォーメーションを4-4-2に変更し、新戦力がフィットすると、チームは上昇気流に乗り始めた。前節・FC東京戦は、首位相手に堂々たるサッカーを披露。センターバックのレギュラーに定着したDF23シマオマテが、強靱なフィジカルを武器にスピードのある相手FWを封じ、後半そのシマオのロングフィードからMF7関口訓充にボールが渡り、ゴール前での1対1で相手の間合いを外して技ありのシュートを決めて先制。さらに終盤DF4蜂須賀孝治のパスを受けたFW9ハモンロペスが豪快なゴールでFC東京を突き放し、2-0と快勝。これでリーグ戦3連勝、ホームゲーム5連勝。順位も11位まで浮上した。リーグ後半戦で反転攻勢を仕掛け、上位進出を狙うためにも、絶対勝利したい一戦。現在5位と好調の札幌と対戦する。
札幌は、昨シーズン就任したペトロヴィッチ監督のスタイルが浸透し、前線のコンビネーションから生まれるゴールや、中盤やDF陣も絡んでのゴール、そしてセットプレーやカウンター攻撃、どこからどんな形でも得点できるのが持ち味だ。
注意すべきは強力な攻撃陣だ。長崎から移籍し、今シーズン、6ゴールを挙げ、日本代表にも選出されたFW9鈴木武蔵は2試合連続ゴール中だ。また、ここまでチームトップの7ゴールを挙げているFW11アンデルソンロペスは左膝靱帯を損傷し、復帰は夏頃と見られていたが、驚異的な回復を見せ第15節・川崎F戦で復帰している。そして、長身FW48ジェイも復帰し、前節・鳥栖戦で今シーズン初ゴール。さらにはタイ国籍MF18チャナティップや、ボランチのMF8深井一希、MF27荒野拓馬は精度の高いパスを前線に供給し、決定機をつくり出す。守備陣はDF20キムミンテとDF2石川直樹と元仙台の選手が活躍中。石川は前節、セットプレーからゴールを決め、勢いに乗っている。
先制を許すと札幌は5バック気味に守備を固めるので、ぜひ仙台が先制して優位に試合を進めたい。関口やMF18道渕諒平がサイドで積極的に仕掛け、両サイドで揺さぶっていけば、相手の守備網に綻びが出てくる。そこをFW38長沢駿やFW11石原直樹が突いていきたい。一方の守備では1トップ2シャドーをどうやって捕まえるかが勝負の鍵。シマオはジェイや鈴木との競り合いで強さを見せたいところ。また、DF13平岡康裕のカバーリングや体を張ったプレーにも期待がかかる。
前節のFC東京とは違ったタイプの強敵だが、この一戦勝てれば上位進出への道筋がはっきりと見えてくる。勇敢に戦い、前半戦ラストゲームを勝利で締めくくろう。