MF 30 田中 渉 Wataru TANAKA
2000年9月23日生まれ 169cm/59kg 群馬県出身
FC尾島ジュニア→前橋SCジュニアユース→桐生第一高校→ベガルタ仙台(2019年加入)
利き足である左足でのボールタッチは柔らかく、しなやかなキックでチームの決定機を作り出す。時には、自らボールを持ち運んでゴール前に顔を出す。田中渉は仙台のシステムの中で、いくつかのポジションで持ち味を活かせるようになろうと、奮闘中だ。
最も得意なポジションはボランチだが、デビュー戦となったJリーグYBCルヴァンカップグループステージ第3節・柏戦や同第5節・FC東京戦では、交代出場で2列目に入った。そして第6節・柏戦では、4-2-3-1の右サイドMFで、プロ入り後初先発を果たす。その試合への準備ではFWでも準備。渡邉監督は田中の適正と柏への対策を考え、彼をこのポジションで起用した。
この試合で田中は、立ち上がりにチーム最初のシュートを放つ。「あれでメンタル的にいいかたちに持っていけました」という田中はその後、同サイドの飯尾と連係してゴール前に進出したり、高い位置で相手を追いかけたりと思い切ったプレーを見せた。
そして79分、最大の見せ場が訪れた。1点を追いかける展開で、仙台は左サイドを攻撃。道渕が鋭いクロスを送ると、逆サイドに猛然と走りこむ田中の姿があった。「左から(クロスが)来たらもう一回左の方に蹴ればGKの逆をとれるという(感覚)が自分の中ではあったので、うまく合わせられて良かった」。全速力ながら、冷静に相手の位置を見て、ボールをコントロール。左足で同点ゴールを決めた。「もっと精度を上げたい。そしてチームの勝利につながる点を決めたい」。大きな一歩にも満足することなく、この若きMFは高みを目指す。