5月1日、元号が「平成」から「令和」に変わり、新しい時代が到来した。
その少し前の4月下旬、仙台にも大きな変革の波が訪れた。2017シーズンより3バックを採用し、3-4-3もしくは3-5-2のフォーメーションで戦ってきたが、渡邉晋監督は「今の我々が一番やれることをより効果的に発揮するためのシステム変更」を決断。JリーグYBCルヴァンカップグループステージ鳥栖戦から4-4-2のフォーメーションを採用した。
明治安田生命J1リーグ第9節G大阪戦でも4-4-2のフォーメーションで戦い、前半セットプレーから失点を喫したが、前半終了間際にDF2永戸勝也のリーグ戦初ゴールが決まって同点に追いついた。そして試合終了直前にMF14石原崇兆のパスを受けたFW38長沢駿が、今シーズンリーグ戦初ゴールを決め2-1と劇的な逆転勝利を挙げた。前節川崎戦は残念ながら1-3で敗れたが、ここ数試合サブに回っていたキャプテンDF27大岩一貴が渾身のシュートをゴールに叩き込み意地を見せた。大きな流れとしては4バックへの変更により、攻撃も守備もよりスムーズになり、新システムのさらなる熟成を進めていくことが今後の躍進の鍵となる。
こうしたチームの変革の最中に迎え撃つのは広島だ。FC東京、甲府で指揮を執った城福浩監督が就任2年目。今シーズンも手堅い守備組織をベースにしたサッカーを展開し、開幕から7戦負け無しと好調をキープしていたがここへ来て全て0-1のスコアで3連敗し、現在は7位。並行して戦っているACLは比較的好調な戦いを見せている。
今シーズンは3バックで戦っており、宮城県仙台市出身で東京Vや京都でも活躍したDF5吉野恭平がディフェンスリーダーとして成長を遂げた。DF2野上結貴やDF19佐々木翔と共に堅守を築き上げている。また、GK38大迫敬介の成長が著しく、元仙台GK1林卓人に代わってレギュラーの座に着いた。攻撃陣では、昨シーズンまで仙台の攻守の核として活躍したMF7野津田岳人は要警戒だ。久々のユアスタでのプレーで、気持ちの入ったプレーを見せることは間違いないだろう。両サイドのMF3エミルサロモンソン、MF18柏好文も得点力があり、注意が必要だ。
仙台としては、相手守備陣の間のスペースに入り込み、決定機を多くつくり出したい。FW9ハモンロペス、FW19ジャーメイン良が良い立ち位置を取って起点をつくり、シュートまで持ち込みたい。守備では4バックと中盤の4人が連係を取り、コンパクトな陣形を保って相手の攻撃陣に自由を与えないようにしたい。 新しい時代に新システムで戦う仙台。攻守で相手の先手を取り、変革を勝利につなげよう。