JリーグYBCルヴァンカップは順調に勝利を積み重ねている仙台だが、明治安田生命J1リーグは苦しんでいる。第6節、ホームで行われた鳥栖戦は、FW19ジャーメイン良、MF6兵藤慎剛、FW9ハモンロペスのゴールに加え、3バックの中央に入ったDF33常田克人が安定した守りと、精度の高いキックで攻守に貢献し、3-0と快勝。これで波に乗るかと思われたが、第7節・大分戦はミスからの失点で0-2と敗れ、前節・鹿島戦は、リーグ戦初先発のMF8松下佳貴らの活躍で決定機をつくったが、惜しくもゴールを決めきれず、後半セットプレーで失点し、0-1で連敗となってしまった。
内容的には向上している部分も多く、渡邉晋監督も「狙いとしていることはできている」と試合後語っており、決定機もつくれているだけに、ここが踏ん張りどころだ。今節は何としてでも勝利という結果を手にし、5月以降の躍進へとつなげたい。
G大阪は、昨シーズン途中から元日本代表DFでクラブOBの宮本恒靖監督が就任した。G大阪らしいショートパスでの組み立てで決定機をつくり、攻撃的なサッカーを目指しているが、今シーズンは2勝1分け5敗と思うような成績を残せておらず、今節は5試合ぶりの勝利を目指し、ユアスタに乗り込んでくる。
攻撃陣の核となるのは昨シーズン16ゴールを挙げた韓国代表FW16ファンウィジョ。今シーズンは、ここまで7試合で2ゴールと本領発揮できていないが、長身ながら足下の技術も高く、ゴール前でフリーにしたらすぐにゴールにつなげるエースストライカーだ。ここまでチーム得点王となる4ゴールを叩き出しているFW9アデミウソンもゴールセンスは健在だ。この2人のストライカーをしっかり抑えた上で、積極的にシュートも狙えるMF10倉田秋や前節、ミドルシュートを決めたベテランMF7遠藤保仁、昨シーズン途中、J2山口から加入したアタッカーMF8小野瀬康介など、能力の高い日本人の中盤選手にも警戒しなければならない。
仙台としては、まずは相手攻撃陣の個人技をしっかり封じるべく、高い位置でプレスをかける時と、自陣でブロックを作って守る時のメリハリをつけて、カウンター攻撃にも注意を払いたい。その上で、攻撃の時は人数をかけてシュートで終わる意識を持つ必要がある。決定機はつくれているので、自信を持ってゴールまで向かうことが重要だ。ジャーメイン、ハモンロペス、MF15吉尾海夏など攻撃陣には大きな期待がかかる。
厳しい試合となるが、継続してきたことを信じて戦い、平成最後のリーグ戦を勝利で締めくくろう。