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　吉尾海夏は、ゴールに飢えている。

　「仙台のサポーターに認めてもらうには、やはりゴールという最大の結果が必要」。既に高い技術を活かしたプレーでサポーターを沸かせている存在だが、チームの勝利につながるゴールを決めようという吉尾本人の思いは、日増しに強くなっている。

　今季、横浜FMから期限付き移籍で加わった。アカデミー時代から横浜FMで育ってきたが、自らを高めるべく、初めての移籍に踏み切った。ずっと攻撃的なポジションでプレーしてきた吉尾にとって、チームに対する最大の貢献になるものは、勝利につながるゴールだと認識している。だからこそ、先の言葉が自然と出てくる。

　2018年、横浜FMの一員として、吉尾は仙台と対戦した。何度も仙台ゴールを脅かすプレーを見せた一方で、直接対戦したからこそ「自分のスタイルに合っているチームだと思いました」という感覚があった。左足からの正確なキックや、スペースを察知して素早く入りこむランニングなどが、吉尾の長所。いい立ち位置を取り、ボールも相手も動かす仙台のスタイルに、吉尾は自らの言葉どおり順応している。JリーグYBCルヴァンカップグループステージ第1節・鳥栖戦で仙台の一員としてデビューを飾り、勝利に貢献。明治安田生命J1リーグ戦でも出場機会をつかみ、第6節・鳥栖戦ではジャーメイン良の先制ゴールをアシストした。同じ鳥栖戦でポストを直撃するシュートを打つなど、ゴールには徐々に近づいている。「相手にとってもっと危険なプレーをできるようにならないと」。現状に満足せず、吉尾はゴールを目指す。