明治安田生命J1リーグに続き、JリーグYBCルヴァンカップも3月5日に開幕した。ここ2年、仙台は若手選手の活躍が目立ち、グループステージを突破している。2017シーズンは当時、急成長を見せていたCSKAモスクワFW西村拓真がクラブ初のニューヒーロー賞を獲得。さらにはベスト4に進出したが準決勝で川崎Fに敗れ、惜しくも決勝進出を逃した。昨シーズンは、プレーオフステージで湘南と対戦し、第1戦で大敗。第2戦で猛追するもあと一歩でノックアウトステージ進出を逃す悔しさを味わった。今シーズンこそ、タイトル獲得を目指し、今大会に挑む。
5日、駅前不動産スタジアムにて行われた開幕戦の鳥栖戦は今大会にかける思いが良い形で表れた。立ち上がりから鳥栖陣内に攻め込む場面が目立った。前半終了間際にMF15吉尾海夏のシュートのこぼれ球をMF18道渕諒平がヘディングで折り返し、FW19ジャーメイン良がシュートを決めて先制に成功した。後半も試合を優位に進め、72分にはジャーメインがペナルティエリア内で倒され、自らPKを決めた。その後、セットプレーから失点するも、85分FW20阿部拓馬がドリブル突破からシュートを決め、3-1で勝利。幸先の良いスタートを切った。そしてホームユアテックスタジアム仙台で迎える第2節はFC東京と対戦する。
FC東京は長谷川健太監督就任2年目。手堅い守備と高い能力を誇る攻撃陣を揃え、リーグ戦もカップ戦も優勝を狙うチームだ。ルヴァンカップ第1節は若手選手や外国籍選手主体のメンバーでJ2柏と対戦。DF32渡辺剛がコーナーキックから先制ゴールを決めたが、後半2失点を喫し1-2で敗戦した。U-23チームが出場する明治安田生命J3リーグも開幕したことから、どのようなメンバーで臨むかは予想しづらいが、成長を見せている若手選手MF40平川怜やMF28内田宅哉などには注意したい。
仙台としては、鳥栖戦同様、積極的な姿勢を見せ、攻守に立ち位置を重視したバランスの良い戦いを見せ、試合の主導権を握りたい。鳥栖戦では何度も決定機をつくった吉尾の切れ味鋭いDFライン背後への突破、クロスだけでなくゴール前にも顔を出せる仙台ユース出身の道渕の攻撃参加、攻守にハードワークし、決定機につながる精度の高いパスを出すMF8松下佳貴への期待は大きい。また鳥栖戦で公式戦デビューを飾ったDF31照山颯人の体を張った守備や鋭いパス出しにも注目だ。展開次第ではMF30田中渉のテクニックを生かすのも面白いだろう。
こうした新戦力が仙台のサッカーを変革し、活性化していくことができれば勝利は大きく近づく。アグレッシブなプレーでぜひ連勝を狙おう。