MF 34 椎橋 慧也 Keiya SHIIHASHI
1997年6月20日生まれ 177cm / 69kg 千葉県出身
咲が丘SC→八木が谷中→市立船橋高→ベガルタ仙台(2016年加入)
椎橋慧也は燃えていた。「自分にとっては、大きなチャンスだと思っています」。明治安田生命J1リーグでの連敗を受けて迎えた、第29節・浦和戦。チームが苦しいときこそ支える力になろうと、若きMFは練習で調子を上げていた。
逆境に直面しても、それを糧にして、成長して、再びチャンスをつかむ根性の持ち主だ。プロ1年目には大けがに悩まされたが、復帰して迎えた翌年にはリーグ戦でもカップ戦でもチャンスをつかむ。失点にからんで悔しい思いをしたと思えば、次のチャンスでは持ち前の粘り強い守備で相手を封じ込める。椎橋の成長は、チーム全体の力を押し上げる。
J1第16節・横浜FM戦では大量失点にからんで悔しい思いをしたが、椎橋はそこで下を向いたままの選手ではなかった。渡邉晋監督も、苦い経験をバネにまた這い上がってくる椎橋に対して、「クローザーとしての役割も彼には期待しています」と、彼の守備力を信頼。J1第21節・柏戦では、リードした場面で逃げ切るための役割が途中出場の椎橋に託され、本人も「いいかたちで終わることができました。これを続けたいですね」と見事その役割を果たした。
この柏戦のように、椎橋はこれまでの最終ラインだけでなく、もともと高校まで慣れ親しんでいた中盤のポジションで出場することも増えた。浦和戦では、チームが3-5-2のかたちを取る中で、中盤の底を一人で担当する“アンカー”の役割で先発することとなった。
そのチャンスで、椎橋は前半こそ相手の個人能力が高い選手たちとのマッチアップで苦しんだものの、後半に立て直す。相手のプレッシャーを受けにくいところにポジションを取ってボールを動かし、「(パス回しを)潤滑にできました。ハーフタイムに修正し、後半にチャレンジできて良かったですね」と手応えを得た。
しかし、1-1の引き分けに終わった結果に、チーム同様椎橋自身も満足はしていない。「相手の裏(のスペース)など、嫌なところには全然ボールを出せていなかったので、もっと精度を上げなければ」。この経験も糧にして、椎橋はまたひとつ成長を遂げ、チームに力を加える。