NEW HERO

MF 16 野津田 岳人 Gakuto NOTSUDA

1994年6月6日生まれ 177cm / 72kg 広島県出身
シーガル広島→サンフレッチェ広島Jrユース→サンフレッチェ広島ユース(2011,12年/トップチーム登録(2種))→サンフレッチェ広島→アルビレックス新潟→清水エスパルス→ベガルタ仙台(2017年加入)

長い負傷から復帰。
タフガイは元気にチームを引っ張る。

 久しぶりに公式戦のピッチに立った野津田岳人は、実に楽しそうにボールを蹴っていた。

 9月1日、明治安田生命J1リーグ第25節・清水戦で、野津田は6月9日のJリーグYBCルヴァンカッププレーオフステージ第2戦以来、約3ヶ月ぶりとなる公式戦の先発出場を果たした。

 「痛みも怖さもなくなったし、もう、試合が楽しみで仕方がないんです」と話していた野津田は、キックオフから前に出て味方の攻撃を引っ張る。相手の果敢なプレッシャーを前になかなか仙台が攻撃を組み立てられない場面でも、なんとか突破口を開こうと、スペースをこじ開けたり、相手を引きつけてマークを散らしたりと、ピッチを走り回った。

 昨年夏に加わった野津田は、それから仙台の主力に定着すると、契約上の理由がない限りはフル稼働と言ってもいいほどの働きだった。しかも、どの試合に出てもよく走る。フル出場をすれば走行距離は12km前後の数字を叩き出すタフガイだ。得意の攻撃面はもちろん、守備でも大きな役割を果たす。渡邉晋監督はこの野津田について「彼のところでボールがおさまりますし、攻撃の中継点になれます。守備でも彼が二つ、三つと追ってくれることで、後ろは守備陣形を整えることができます」と評する。

 だからこそ、6月から7月にかけての熊本キャンプ中に彼が負傷したのは、チームにとっても痛手だったが、何より本人にとって悔しい事態だった。一度は練習に復帰するも、再び離脱。もどかしい日が続いた。

 「チームを離れて外から見ていて、戻ったときにどうしようかとずっと考えていました。気持ちはいつもチームとともに戦っているつもりでした」。仲間たちの奮闘に刺激を受けつつ、「前よりもいい状態で復帰しよう」とリハビリに努め、ピッチに戻った。

 清水戦ではまだ本調子ではなく、途中でピッチを退いたものの、野津田がチームを活性化させる役割を果たしたことは間違いない。24分には、コーナーキックから大岩一貴の先制ゴールをアシストした。

 「もっと上に行くために、強気のプレーを続けたいですね」。帰ってきた野津田が、これからも仙台を引っ張る。