NEW HERO

FW 11 石原 直樹 Naoki ISHIHARA

1984年8月14日生まれ 173cm / 63kg 群馬県出身
高崎西FC→片岡中→高崎経済大付属高→湘南ベルマーレ→大宮アルディージャ→サンフレッチェ広島→浦和レッズ→ベガルタ仙台(2017年加入)

味方とともに学び、結果を出すFW。
頼れる前線の柱。

 8月22日に、ニッパツ三ツ沢球技場で行われた、天皇杯4回戦。石原直樹はこの日、横浜FMから2ゴールをあげて仙台の勝利に大きく貢献した。

 3-2と、スコアだけを見れば打ち合いだったが、試合内容としては相手に押しこまれる時間が長く、苦しい展開だった。仙台は90分を通して、5本しかシュートを打てなかった。その中で石原は2点をもぎ取った。しかも、味方との見事な連係から。渡邉監督は「素晴らしいゴールです。彼でなければ取れないのではないでしょうか」と、背番号11の得点を賞賛した。

 まずは先制点となった16分のゴールだ。最終ラインが高い相手に対し、仙台のFW陣はオフサイドラインをめぐる駆け引きを繰り広げていた。細かいパスワークで崩そうとしていた中でも、相手のプレッシャーが厳しく、なかなか仙台は中盤を越えられない。だがこのとき、最終ラインの大岩が前線の動きを感じ取り、相手DFの中間地点を狙ってロングボールを送った。

 「大岩選手には『ああいうかたちで出してくれ』と、試合前に伝えていました」と、石原は後に明かす。抜群のタイミングでパスの落下地点に走り出した石原は、猛追する相手DFが追いつくより早く、ダイレクトでシュート。見事にこれが決まった。

 そして54分に決めたゴールは、この試合の決勝点となった。後半早々に仙台は追いつかれて2-2とされていたが、それから6分後のこと。仙台の選手交代によってシャドーの位置から1トップに移っていた石原は、「相手のDFの連係がうまく取れていないと思った」と、カウンターのときには相手3バックの間に食いこむような動きを見せる。古林が右サイドからクロスを送ると、その先で右足のボレーシュートを蹴りこんだ。

 チームを勇気づけた2ゴールにも、本人はチームとしての成長を強調する。「紙一重のところはありますが、失敗を繰り返してきた中で学んだこともあるので、その一つひとつの積み重ねが、こういうかたちになっています」。仲間とともに学んだことを、前線で表現し続けるFW。石原は、頼れる点取り屋だ。