VP EYES

一「新」、勝利をもぎ取れ!
ペトロヴィッチ監督就任で攻撃的なスタイルに生まれ変わった札幌。
数的優位を作り出す工夫を凝らし、意思統一を図って戦え!

 公式戦15連戦という厳しい日程の中、いよいよ試練の時がやってきた。明治安田生命J1リーグ第9節・磐田戦はトップ下を置いた新フォーメーションで挑んだが、悔しい0-3での敗戦。前節、第10節・C大阪戦はセットプレーからDF4蜂須賀孝治のゴールで先制したが、後半苦しい時間帯をしのぎきれず逆転を許し1-2と敗戦。連敗は悔しいが、これだけ厳しい日程であれば苦しい時は必ずある。下を向かずにもう一度気持ちを一「新」し、札幌戦に臨む。

 札幌は昨季J1に復帰し、現在ヘッドコーチを務める四方田修平前監督の下、手堅い守備をベースにした戦いで残留を果たした。そして今季は広島、浦和で監督を務めたペトロヴィッチ監督が就任した。ショートパスをつなぐ攻撃的なスタイルへの転換は時間がかかると思われたが、第4節・長崎戦から7試合負け無しと勢いに乗っている。

 好調の原動力となっているのは攻撃陣。ここまでリーグ戦4ゴールを挙げているエースストライカーFW9都倉賢は、長身を生かした打点の高いヘディングや一瞬の背後への抜け出しを得意とし、ゴールを量産している。タイ国籍のMF18チャナティップ、川崎から期限付き移籍のMF41三好康児も足下のテクニックがあり、シャドーの位置から決定機を作り出す。破壊力のあるこの3トップはしっかり抑えなければならない。また浦和から移籍のMF14駒井善成の鋭い縦へのドリブル突破にも注意したい。

 開幕直後は失点が多かったが、徐々に守備も安定感が出始めている。仙台でも活躍したDF20キムミンテは3バックの中央で攻撃をはね返す。前節ゴールを挙げたDF35進藤亮佑やDF5福森晃斗は共に正確にパスをつなぐことができ、攻撃の起点にもなる。守護神のGK25クソンユンは身体能力が高く、守備範囲も広い。

 仙台は選手のコンディションや組み合わせを考え、数的優位を作って攻撃するためにベストのフォーメーションを選択したい。FW11石原直樹や、FW30西村拓真が良い立ち位置を取ってゴールを挙げることはもちろん期待したい。しかし連戦の疲労もあるので良い時間帯ばかりではない。時間帯によっては割り切って相手にボールを持たせ、守りを固めることも必要だ。キャプテンDF27大岩一貴やMF17富田晋伍を中心に声を掛け合い、90分間意思統一を図りながら試合を運び、相手の隙を突きたい。

 上位に食らいつくにはここで勝利が必要だ。やるべきことをやりきり、勝利をもぎ取ろう!