中2~3日の公式戦15連戦も中盤戦。疲労の色も濃いチームが見られる中、仙台は好調を維持し、現在、明治安田生命J1リーグで2位につけている。前節・川崎F戦では、DF27大岩一貴の出場停止に伴い、DF33常田克人がリーグ戦初出場初先発。強力な川崎F攻撃陣を前に終始冷静な守備対応を見せ、得意の左足によるロングフィードで攻撃の起点となるなど大活躍し、無失点での勝点1獲得に大きく貢献した。今の仙台は選手の戦術理解が深まったことにより、誰が試合に出ても戦術や質など一定のレベルが保てている。連戦でもチームのクオリティが大きく落ちないのが好調の秘訣だ。
仙台は今の好調を一過性のものではなく、継続することができれば「真」の力に変わる。そのためには一本のパス、シュート、クリアなど、もっと細部を突き詰めていく必要がある。今節・磐田戦も、細部にこだわって勝利を目指す。
磐田はJ1リーグ開幕から2試合は連敗スタートとなったが、名波浩監督は守備を改善。第3節以降は無失点が4試合と守備が機能し、成績も上がり始めた。今シーズン、甲府から移籍したDF4新里亮の加入が大きく、対人守備が強いだけでなく、最終ラインから正確なパスを出し、丁寧なビルドアップができる。ベテランDF3大井健太郎、クレバーなDF41高橋祥平と築く3バックは鉄壁な上に、ゴールマウスに立つのはポーランド国籍のGK21カミンスキー。Jリーグ屈指の技術を誇る守護神からゴールを奪わねばならない。
中盤では名古屋から加入のMF7田口泰士が攻守にハードワークできる。左ウイングバックのDF6ギレルメは推進力があり、前節・鳥栖戦もゴールをアシストした。攻撃の核はもちろんMF10中村俊輔。10年前のJ1・J2入れ替え戦でのゴールが未だに印象深いMF11松浦拓弥も前節ゴールを決めるなど好調。MF8ムサエフ、MF15アダイウトンが長期離脱となったが、個の質は高い。
仙台としては磐田の堅守を崩し、カウンター攻撃を防がねばならない。第5節・長崎戦以降3バックの対戦相手が増えてきたが、3-5-2フォーメーションにすることで、攻撃で数的優位を作れるようになっている。好調のFW11石原直樹、FW30西村拓真らが良い立ち位置を取れれば決定機は作れる。あとは両サイドからしっかり揺さぶり、ラストパスやシュートの精度を突き詰めゴールを奪いたい。守備ではカウンターの起点となる中盤の選手にプレッシャーをかけ、両ウイングバックの縦突破やクロスボールへ確実に対応したい。
「真」の力をこの手にし、磐田の堅守をこじ開け、勝利をつかみ取ろう。