VP EYES

「シン」の力を見せる時
積極補強でタイトルを狙う柏を迎え撃つホーム開幕戦。
昨季確立したスタイルを進化させ、勝負にこだわるプレーを見せろ!

 明治安田生命J1リーグがいよいよ開幕する。今シーズンの仙台は渡邉晋監督が5シーズン目を迎え、昨シーズン確立した3-4-3フォーメーションから攻守に良い立ち位置を取り、数的優位を作りながらゴールを目指すスタイルをさらに発展させ、リーグ戦トップ5、タイトル奪取を目指す。

 昨シーズン、10ゴールの大活躍を遂げたFW11石原直樹、左足の強烈なシュートが持ち味のMF16野津田岳人、右サイドからのピンポイントのクロスボールが魅力のMF29古林将太など、昨シーズン期限付き移籍加入し、大活躍した選手たちがチームに残留したのは心強い。新加入選手はU-21日本代表メンバーに選出され、3バックの一角でもボランチでもプレーできるDF6板倉滉や、神戸移籍の三田啓貴に代わる司令塔として期待がかかるMF8庄司悦大、甲府やFC東京などで活躍したFW20阿部拓馬など実力十分の選手が揃う。そして3バックの中央でチームを支えるDF27大岩一貴、仙台ユース出身の中盤の要MF7奥埜博亮はプロ14年目のベテランMF17富田晋伍と共にキャプテンとしてチームを牽引する。かくして今シーズンを戦う準備は整った。

 開幕戦の相手は強豪柏。就任3年目となる下平隆宏監督の戦術が浸透し、若手とベテランの力が融合した強豪チームとなり、今シーズンはACLにも出場する。攻撃陣はFW9クリスティアーノ、元仙台FW20ハモンロペスといったブラジル国籍選手の圧倒的な個人技に加え、大宮から移籍のアタッカーMF10江坂任、同じく大宮から移籍の快足FW18瀬川祐輔、新潟から移籍で豊富な活動量で動き回るMF8小泉慶などJ2降格チームから中核選手を獲得。守備陣では五輪代表でも活躍した左サイドバックDF39亀川諒史が福岡から、長身DF22パクジョンスが横浜FMからそれぞれ加入し、層が厚くなった。GK23中村航輔、FW14伊東純也など日本代表選手も在籍し、ACLとリーグ戦を並行して戦う体制を整えている。

 柏は個の能力が高いチームであるため、まずは守備で数的優位を作り堅実に戦い、ボールを奪ったら、今度は攻撃で数的優位を作れるよう立ち位置を考え、ゴール前で相手が空けるスペースを突いてゴールを奪いたい。これまでの積み上げを信じると共に、攻守の厳しい局面で体を張り、勝負にこだわるプレーを見せなければならない。

 ホーム開幕戦、緊張もあるだろうが、サポーターの声援を背に、思う存分キャンプの成果を見せて、仙台らしい美しく楽しくたくましい姿を見せたい。新、信、芯、真…「シン」の力を見せる時は来た。