明治安田生命J1リーグは中盤戦に差し掛かった。仙台は前節、アウェイで横浜FMと対戦。前半終了間際にカウンター攻撃を受けて失点したが、後半多くの決定機を作り、MF18三田啓貴のコーナーキックからDF27大岩一貴がヘディングシュートを決めて1-1の引き分けに終わった。勝点3こそ取れなかったものの、内容的に確かな手応えを得て今節、ホームで新潟戦に臨む。
新潟は今シーズン開幕時、昨シーズンJ3長野の監督を務めた三浦文丈前監督が就任していたが、リーグ戦10試合を戦い、1勝2分7敗と厳しい成績となった。三浦前監督は第10節・川崎F戦後休養の末、辞任。第11節・浦和戦は片渕浩一郎コーチが暫定的に監督を務めたが1-6と大敗を喫していた。
この状況で元日本代表FWでJリーグでは平塚(現・湘南)、名古屋などで活躍した呂比須ワグナー新監督と、選手時代FC東京や大分などでDFとして活躍したサンドロコーチが就任した。呂比須監督は短い期間でまずは手堅く守備組織を築いてカウンター攻撃を仕掛ける戦い方を徹底。前節・札幌戦はこの戦い方が功を奏して1-0で勝利。新監督就任初戦を勝利で飾り、反転攻勢を仕掛けようとしている。
リオデジャネイロオリンピックU-23日本代表FW49鈴木武蔵は高さ勝負やフィジカル勝負に強く、前線で体を張ってボールをおさめる。左右どちらのサイドハーフもこなせるFW7ホニはスピードとクロスボール、天性のゴール感覚が武器で、前節もゴールを決めている。関西学院大出身のルーキーMF29森俊介もスピード感あふれる縦突破が魅力だ。この前線に正確なボールを供給するのはMF8小泉慶と、青森山田高出身のMF30ロメロフランク。2人とも攻守にハードワークできる。守備のリーダーは2005年仙台に在籍した経験豊富なDF50富澤清太郎だ。
新潟は前節・札幌戦同様、守備的な戦いをしてくるものと思われる。仙台としてはまず、ロングボールの起点となる選手にしっかりプレッシャーをかけ、ボールを失ったら素速く帰陣して、カウンター攻撃を受けないようにすることが重要だ。攻撃は相手守備陣の間のスペースを突きたい。新潟のように相手が4バックの場合、サイドハーフとサイドバックの間のスペースが空きやすいので、DF4蜂須賀孝治、DF2永戸勝也のクロスによる攻撃も有効だ。焦れずに相手をパスで動かし続けて消耗させたい。
守備を固める相手を丁寧に崩して得点を積み上げられれば、チームは自信を得て、前進できる。粘り強く攻め続け、ホームユアスタで歓喜の時を迎えよう。