DF 4 蜂須賀 孝治 Koji HACHISUKA
1990年7月20日生まれ 180cm / 75kg 栃木県出身
大平南JFC→ホーリーホックSSとちぎ→ヴェルディSS小山→桐生第一高→仙台大(2012年/JFA・Jリーグ特別指定選手)→ベガルタ仙台(2013年加入)
いつ出番が来たとしても、闘志を忘れない男だ。
今シーズンの蜂須賀は、新たに3-4-2-1を基本としたシステムで戦う仙台において、右の大外、ウイングバックのポジションを主に務める。スタート時の立ち位置は前後に大きなスペースが空いており、自らそこに縦のランニングによって走りこむこともあれば、回りのポジションと連係してスペースを作り合うこともある。いずれにせよ、運動量が要求されるポジションだ。
しかし、蜂須賀は自らの持ち味を生かしながら、この役割を果たす。もともと、運動量のある選手だ。プロ入り前はボランチやセンターバックも経験してきた守備の万能選手だが、Jリーガーとしてはその運動量や、相手に食らいつく姿勢が買われ、4バックのサイドバックが蜂須賀の主戦場となってきた。最初はJリーグのテンポの中で振り回されて足を攣ることもあったが、体力強化や状況に応じたランニングの工夫もあって、90分間のスプリントも苦にしなくなった。それが、今のポジションにも生きている。
「先発の場合は90分をとおして出る前提で体力の配分を考えますが、ベンチスタートの場合は、いつ出るか分からない中で、状況を見てプレーを想定する部分が多いですね。そういう違いはありますが、どちらでも対応できるようにしたいと思っています」。
先発でも途中出場でも、蜂須賀は攻守両方でそのランニングを生かす。そして、特に攻撃面での武器を、年々増やしている。クロスは両足どちらでも上げられるように鍛錬を欠かさないし、機を見たドリブル突破も相手を慌てさせる場面が増えた。
前節・川崎F戦では、蜂須賀は54分に、1-0でリードしながらその次の一手を繰り出せないチームの中に投入された。「ボールを保持して、僕はチャンスがあったと思ったので思い切ってクロスを上げて、それがアシストになりました」。クロスから、石原のゴールをお膳立てした。しかし、本人はこの後の試合運びへの反省の方を重くとらえている。「3点目を取りにいけるときにいけず、怖さがなくなってしまい、チームの鉾を隠してしまった感じです」。悔しい思いをした川崎F戦よりも鋭い攻撃を目指し、蜂須賀は次のチャンスに備える。