JリーグYBCルヴァンカップは8月30日よりノックアウトステージが行われた。グループステージAグループを首位通過した仙台は、準々決勝で鹿島と対戦。第1戦はセットプレーからMF23中野嘉大、MF7奥埜博亮がゴール。1点を返されたものの奥埜が2点目のゴールを決めて3-1で勝利。第2戦は開始早々、MF18三田啓貴の直接フリーキックで先制し、後半開始早々にもFW30西村拓真がPKを決めてリードを広げた。その後、3失点を喫し、試合自体は2-3で敗れて1勝1敗となったが、総合スコア5-4で上回りクラブ史上初の準決勝進出を決めた。クラブの歴史を塗り替えたが、ここまで来たら、目指すは決勝の舞台、そしてタイトルだ。まずは準決勝で川崎Fとホーム&アウェイで対戦する。
川崎Fは、今シーズンより鬼木達監督が就任。鬼木監督は常時、ボールを支配し、積極的にゴール前へ仕掛けて行く風間八宏前監督(現・J2名古屋監督)の築いたスタイルを継承し、攻守のバランスを調え、明治安田生命J1リーグでも優勝争いに絡んでいる。チームを牽引するのは今シーズン、キャプテンを務めるFW11小林悠。ここまでリーグ戦14ゴールの決定力は脅威だ。G大阪から今シーズン移籍加入したMF8阿部浩之もドリブル突破で攻撃にアクセントをつけ、リーグ戦で9ゴール。MF14中村憲剛、MF10大島僚太のゲームメイク、積極的にゴールに絡むプレーももちろん健在だ。大宮から加入のMF41家長昭博もチームにフィットし始めている。攻撃のタレントが揃った強敵である。
仙台としては守り一辺倒ではなく、自分たちが主導権を取るサッカーに、この1年挑戦してきた成果を出したい。前線からDFラインまでをコンパクトに保ち、できるだけラインを高く上げていき、ボールを奪ったら流動的な動きで相手守備陣の間に入り込み、ゴールチャンスを作っていきたい。10月1日の明治安田生命J1リーグ第28節・浦和戦に契約の関係で出場できなかったFW11石原直樹はリーグ戦でチームトップの8ゴールをマークしている上に、フレッシュな状態でこの試合に臨める。好調のMF16野津田岳人は今シーズン、清水でルヴァンカップに出場した関係で出場できないが、今大会、何度も活躍を見せてきたFW30西村拓真にもゴールの期待がかかる。そして川崎Fから期限付き移籍中の中野はこの試合に出場できる契約だ。古巣相手にゴールやアシストで元気な姿を見せたい。
10月14日のリーグ戦を含めて川崎Fとの3連戦となり、様々な駆け引きも予想されるが、11月4日決勝の舞台に立つために、まずは第1戦、チームの総力を結集させて勝利をつかもう。