明治安田生命J1リーグも残り7試合。仙台は今シーズン3-4-2-1へとフォーメーションを変更し、良いポジションを取り続け、攻守に主導権を握る新スタイルに挑戦してきたが、ついに挑戦は大きな成果を挙げ始めた。第25節・鳥栖戦は11分、MF29古林将太のクロスからFW11石原直樹のゴールで先制すると、34分、新加入のMF16野津田岳人が仙台サポーターへ挨拶代わりの移籍後、初ゴールを決めた。54分にはMF18三田啓貴のミドルシュート、74分には石原の2ゴール目が決まって4-1と快勝した。第26節・FC東京戦こそ0-1と惜敗したが、前節・C大阪戦は攻守のバランスを修正し、再び攻撃陣が爆発。42分、古林のクロスから、石原が相手守備陣の間にうまく入り込み技ありのゴール。70分には野津田が仙台J1通算400ゴール目となるゴールを決めた。1点差に詰め寄られるも77分、MF10梁勇基のクロスからファーサイドのMF34椎橋慧也がヘディングシュートでリーグ戦、初ゴール。90分にはMF8野沢拓也も今シーズン、初ゴールを決めて4-1で完勝。これまで苦戦してきた上位チーム相手にも攻守が機能し、新たな仙台スタイルは成熟の時を迎えつつある。この流れを確かなものにし、残り試合快進撃を見せるためにも、今節、浦和戦は絶対に勝利したい。
浦和はここ数年常に上位争いを演じてきたが、今シーズンは現在7位。5年半もの間チームを率い、3-4-3フォーメーションで一時代を築いたミハイロ・ペトロヴィッチ前監督は第19節・札幌戦に敗れた後、7月30日、解任となった。後を引き継いだ堀孝史監督は4-1-4-1へとフォーメーションを変更。8月は3勝1分けと無敗だったが、9月は2分け1敗と3戦勝ち無しで、まだ試行錯誤の段階だ。それでも現在、17ゴールを挙げるFW30興梠慎三はやはり脅威。夏に加入したブラジル国籍のDF2マウリシオもフィットし始め、前節、初ゴールを決めているので警戒しなければならない。
仙台はこの試合、浦和から期限付き移籍中の石原が出場できないが、現在3トップ中央で活躍を見せている野沢に期待がかかる。野沢が最前線でしっかりとボールをおさめて、シャドーの野津田、梁が流動的に絡んでいければ、必ず決定機は作れる。相手守備陣の間のポジションに入り込み、相手よりも良いポジションを取り続けられれば、必ず優位に試合を運べる。あとは攻守の切り替えを速くして、リスクマネジメントを徹底したい。
浦和は個の能力が高い強敵だが、この試合に勝てれば、この後に控える、JリーグYBCルヴァンカップ準決勝、川崎戦との連戦にも大きな弾みとなる。磨き上げた仙台スタイルで勝利をつかみ取ろう。