NEW HERO

MF 18 三田 啓貴 Hirotaka MITA

1990年9月14日生まれ 173cm / 63kg 東京都出身
バディSC→FC東京U-15深川→FC東京U-18→明治大→FC東京→ベガルタ仙台(2016年加入)

バランスをコントロールしながら、
勇気を持って攻めに出るMF。

 仙台加入2年目。三田啓貴は、このチームのボランチとして、昨季よりもさらにスケールアップしている。

 長短のパスで攻撃の組み立てに関わり、その中で自分自身もゴール前に顔を出す。時には思い切ってドリブルでボールを前に運ぶ。もちろん、守備的な位置を取っているときには、自ら「球際での強さ、一対一からしっかりレベルを上げることが大事」と常々話すように、気迫のこもった守備を見せる。攻守のバランスを取るボランチのポジションで、三田はチームの要となる活躍を続けている。

 この夏に三田は、そのバランスをコントロールする上で、ひとつ大きな課題と向き合った。6月に入った頃から、チームとして磨いてきた攻撃のコンビネーションが高まっていた一方で、失点が目立つようになってきた。7月にリーグ戦が中断期間に入ったところで、渡邉監督はチームの守備を再整備。そしてチームは、試合の状況によっては守備側に重きを置いた戦い方も選ぶようになった。

 守備的な戦い方の中でも、攻めに出られるときは点を取るために思いきって出なければならない。三田は攻撃の一手となる縦パスを出したり攻め上がったりするタイミングを、プレーの中で見出そうと努力した。「守備で手応えを得ているところと、攻撃で迫力を増すところ。そのバランスをもっと突き詰めたい」。相手に押されて攻撃のスタート地点が前より低くなったときも、チャンスでゴール前に顔を出すかたちを、味方とともに模索した。

 その努力が、苦しい展開の時に実る。明治安田生命J1リーグ第23節・新潟戦では、敵地で守勢に回る苦しい時間が続いたが、後半にチームはペースを握り返した。そして82分に追いついてから4分後、三田は思い切って打ったミドルシュートで、逆転ゴールを呼び込んだ。

 この時は攻撃が得意な野津田とボランチでコンビを組んだことで、「(野津田)岳人はゴール前に出るタイプなので、自分はまず後ろに残ってバランスを取っていました」と気を利かせていたが、その野津田を含めた味方が高い位置でボールを保持しているタイミングを逃さず、フリーで駆け上がった結果、チームの勝利を決定づけるゴールを生んだ。

 次に彼のゲームコントロールが試される相手は、鹿島だ。J1第20節の対戦後から「この借りはカップ戦で返したい」と早速勝利を誓ったこの試合でも、三田はチームを勝利に導くプレーを見せてくれるはずだ。