VP EYES

勝って締めるぞ、3連戦。
ヤンヨンソン新監督就任で、大きく変貌を遂げた広島。
相手の勢いに屈することなく、攻守で先手を取って戦え!

 明治安田生命J1リーグは中3日での3連戦最後の試合を迎えた。5日にアウェイで行われた第20節・鹿島戦は濃霧の中での激闘となったが、前後半共にアディショナルタイムで失点を喫し、0-2で敗れた。第21節・磐田戦は粘りある守備で無失点であったがスコアレスドローに終わった。そしてホーム連戦となる今節が広島との対戦となる。

 広島は2012シーズン以降、仙台でも選手として活躍した森保一前監督が指揮を執り、3回のJ1リーグ優勝を誇ったが、今シーズンは開幕から苦しい戦いを強いられ、J1残留争いに巻き込まれた。そして7月4日、森保前監督の退任が発表された。代わって指揮を執ったのはスウェーデン国籍のヤンヨンソン監督。Jリーグ初年度の1993シーズンにコーチ・選手を務めた経験を持ち、ノルウェーやスウェーデンで豊富な指導経験を持っている。ヤン監督はペトロヴィッチ元監督時代から10年近く採用してきた3-4-3フォーメーションを4-2-3-1フォーメーションへと変更。チームの大改革に乗りだした。

 そしてJ1残留を目指し、補強を敢行。G大阪よりFW39パトリック、DF40丹羽大輝を獲得。2人は早速チームにフィット。丹羽は右サイドバック、パトリックは1トップのレギュラーとなり、チームに大きく貢献。特に長身と馬力のあるドリブルが持ち味のパトリックは第20節・磐田戦で1ゴール2アシストの大活躍を見せ、大きな脅威となっている。両サイドハーフも強力だ。FW44アンデルソンロペスは右サイドから突破力を生かしてゴールを狙える選手で、チーム最多得点を誇る。MF18柏好文も左サイドハーフに定着し、ドリブル突破とクロスから決定機を演出する。そして、元日本代表ボランチMF6青山敏弘は強力な攻撃陣に正確なパスを供給する。新戦力の活躍もあり、ヤン監督のチーム改革は順調に進んでおり、J1残留に向けて光明が見え始めている。

 仙台はチーム状況が上向き始めた広島の勢いに屈してはいけない。攻撃も守備も先手を取って、相手4バックの間のスペースにどんどん入り込んでいきたい。また、仙台の3バックとミスマッチになり、両ウイングバックが高い位置を取りやすくなるので、MF29古林将太や、MF23中野嘉大からのクロスボールも有効だろう。あとは3トップが決定機を確実にものにしたい。古巣対決となるFW11石原直樹にもゴールの期待が高まる。

 リーグ戦、前回対戦は3-3の引き分けだったが、広島はその時とは全く別のチームへ変貌を遂げた。手強い相手だが、ゴールに向かう強い姿勢を見せ続け、真夏の3連戦を勝利で締めくくろう!