明治安田生命J1リーグは今節で全チームとの対戦を終える。前半戦の仙台は好不調の波こそあったが、徐々に新加入選手がチームに溶け込み、ショートパスで相手を崩す攻撃の質がどんどん高まってきた。前節・C大阪戦は敗れこそしたが、ボール保持率は6割。FW11石原直樹のゴールは細かくパスをつないで崩しきった得点であり、後半のFW20クリスランのスルーパスからのFW30西村拓真のゴールも非常に美しかった。カウンター攻撃への対処という課題こそ残ったが、攻撃のクオリティーに関して大きな手応えを得て、今節・G大阪戦に臨む。
G大阪は長谷川健太監督が就任5シーズン目を向かえた。2014シーズンJ1復帰後は常に優勝争いに絡んでおり、今シーズンも現在4位と安定した成績を誇っている。手堅いサッカーが特長で、ここまで13失点。ACLに出場していた関係で1試合未消化の試合があるものの、横浜FMと並んでリーグ最少失点である。清水から加入のDF2三浦弦太、横浜FMから加入のDF3ファビオがセンターバックのレギュラーに定着し、守備の安定に大きく貢献している。
もちろん攻撃陣のクオリティーも高い。現在チーム最高得点は長身FW20長沢駿でここまで6ゴール。ヘディングでの競り合いの強さと、足下の技術の高さを兼ね備えるストライカーで、ここ4試合で4得点と絶好調だ。そして日本代表でも活躍するMF10倉田秋も長沢と並ぶ6ゴール。トップ下の位置から鋭くゴールに向かって襲いかかる。3ゴールを挙げていたMF堂安律はオランダ・フローニンゲンへ移籍したものの、鹿島から加入のFW53赤﨑秀平や、大宮から加入のMF39泉澤仁がさらにフィットしてくれば、攻撃力はさらに高まるだろう。
守備が手堅く、カウンター攻撃の精度が高いとなると、前節・C大阪戦と似たタイプの相手と言える。仙台が最も気をつけなければいけないのが相手のカウンター攻撃。MF7遠藤保仁、MF8井手口陽介といった中盤の選手にしっかりプレッシャーをかけ、DFライン背後へのパスを簡単に出させないようにしたい。背後にボールを出されたとしても、守備陣が1対1で落ち着いた対応を見せれば良い。GK1シュミットダニエルの判断も重要になってくる。攻撃に関しては、パスワークに自信を持ち、丁寧に相手守備陣を崩していけば良い。そしてゴール前で冷静さを保ち、シュートを決めるベきところで決めたい。
上位進出のためには上位チームに勝たねばならない。渡邉監督が前節、課題として挙げた「ゲームの流れを読む目」を持って、攻守にメリハリの利いた試合を見せ、勝利でリーグ後半戦へ折り返そう。