熱戦が続く明治安田生命J1リーグ。仙台は前節ホームで新潟と対戦。守備を固めてカウンター攻撃を狙ってくる新潟相手に後半わずかな隙を突かれて失点を喫したが、FW20クリスランの2ゴールで逆転勝利。開幕戦以来のリーグ戦でのホーム戦勝利にユアスタは沸き立った。ホーム連戦となる今節。再び歓喜の時を迎えるため、甲府と対戦する。
甲府は今シーズン、柏、新潟で監督を務めた吉田達磨新監督が就任。かつて柏U-18監督としてショートパスをつなぐサッカーを展開し、多くの選手をトップチームに送り込んだ経験を持つ。甲府では5バックで手堅い守備をベースに戦うというクラブが築いてきた持ち味を生かしつつ、徐々に攻撃の質を上げている。
今シーズン加入して大きな存在感を誇っているのは清水などで活躍したボランチMF15兵働昭弘。5年間、J2クラブを転々としたが、卓越した足下の技術は確かだ。そして、甲府U-18出身で、京都に移籍していたが古巣に復帰したMF11堀米勇輝は年代別代表も経験しており、ゴールに向かうプレーもできる。前節・FC東京戦も相手の隙を突きゴールを決めた。こうした選手を生かして質の高い攻撃を仕掛けるのが今シーズンの甲府の特徴だ。
また、甲府は仙台と縁が深い。2012シーズンから昨シーズンまで、仙台のエースストライカーとして君臨した、FW9ウイルソンが移籍加入。力強いドリブル突破から強引にシュートを狙う姿は未だ健在だ。2013シーズンまで在籍した、MF2島川俊郎も前節、ボランチとして先発出場。長らくJ2・J3クラブでのプレーが続いたが、柏U-18時代の恩師吉田監督の下、存在感を増している。その他、仙台ユース出身で明治大から加入した大卒ルーキー、MF18道渕諒平、仙台ジュニアユース・仙台育英高出身のDF26熊谷駿。コーチ陣では、望月達也ヘッドコーチは2007シーズンに仙台で監督を務め、谷真一郎フィジカルコーチも2002~2007シーズン在籍しており、仙台ゆかりの選手・スタッフは数多い。
仙台としては、前節同様、引いた相手を崩す戦いになるが、甲府は攻撃に転じた時のバリエーションが豊富なので、球際勝負で負けず相手の攻撃陣に自由を与えないことが重要だ。キャプテンMF17富田晋伍ら、中盤の働きが守備の安定を左右する。攻撃では相手が5バックで引いて守ってきても焦らずに様々な方法でゴールを奪いたい。中央でのコンビネーションを使うか、サイドからDF4蜂須賀孝治や、DF2永戸勝也らのクロスを使うか、状況に応じて使い分けていきたい。
年々着実に、J1で力をつけている甲府は強敵だが、冷静な状況判断から効果的な攻撃手段を選択し、必ずゴールを奪ってホームで連勝しよう。