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VP EYESMATCHDAY PROGRAM
「V PRESS」

前へ。フィジカル勝負でも、
テクニカル勝負でも、メンタル勝負でも、
前進して相手を突き崩す

 明治安田J2リーグも残り10試合。終盤戦に突入している。ここからは長いシーズンで積み重ねたものが今まで以上に問われ、そのベースの上に、この時期に新しく花開く力が加わる。ベガルタ仙台の場合は、たとえば前回のホームゲームだった第27節・鹿児島戦で、GK陣にアクシデントが相次いだなかニューヒーローが生まれた。先発したGK29松澤香輝と途中出場のGK21梅田陸空が公式戦で初めてユアテックスタジアム仙台のピッチに立ち、無失点勝利に貢献。梅田が「この日のためにずっと努力をしてきた」と話したように、いついかなるときに出番が来ても、日頃にチームの中で鍛えてきた成果を出せる選手が結果を出すことが期待される。これまでの主力にも、これから台頭する選手にも、期待したい。

 さて今節で仙台が発揮したい持ち味について整理しよう。鹿児島戦で決勝点を決めたMF11郷家友太が「全員がハードワークをできていることが、結果に出ている」と自信を持って話したように、試合の最後まで走り抜く体力があること。そして、それを個人個人だけでなくチームの力として発揮すること。誰かがプレッシャーをかけにいったらその選手をカバーするため近くの選手が動き出すとか、誰かがボールを持って攻撃のスピードを上げようとしたらそれをサポートするため味方が近くを走るとか、そういった助け合うための走力をピッチで出すことが仙台の持ち味だ。

 そして、この走力は、今節の相手であるいわきとの対戦でも勝利の鍵になる。いわきは今シーズンに躍進しているチームのひとつ。もともとのチームカラーとして、体の強さや90分を走るスタミナを継続的に強化してきた。それだけでも手強いが、田村雄三監督のもとでコンビネーションを磨き、パスワークでも個人の突破でもボールを相手ゴールまで力強く運べる組織を作り上げた。滅多にバックパスをせず、前への意識が高い。シーズン途中で主力選手複数名が移籍したが、組織のベースは健在。DF22生駒仁やDF27堂鼻起暉ら最終ラインが粘り強く守り、奪ったボールをMF24山下優人を中心に動かし、MF7西川潤やFW10有馬幸太郎ら攻撃陣がゴールに迫る。現在J2得点ランキングトップであるFW17谷村海那のフィニッシュも驚異だ。

 そのいわきを相手に、仙台はフィジカルでのぶつかり合いをまず制したい。いわきとの前回対戦である第18節では、アウェーで相手に押される苦しい時間も長かったが、セットプレーからDF2髙田椋汰の豪快なゴールで先制し、追いつかれても連続攻撃からMF27オナイウ情滋の決勝点で押し切った。守備でも試合終了まで足を止めなかったから、リードを守り切れた。お互いにあのときより成長して迎える今回の対戦だが、仙台はホームの後押しを受け、さらに力強く前進して相手を押し切りたい。MF6松井蓮之のプレッシャーやMF14相良竜之介のドリブルといった攻守で推進力をもたらす個性を生かし、FW7中島元彦やFW98エロンらの強烈なシュートを相手ゴールに突き刺したい。

 フィジカルでも、テクニカルでも、メンタルでも、仙台が前へ進む力を発揮したい一戦。仙台に関わる人たちのPASSIONをエネルギーとして、相手を押し切り、勝利しよう!