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VP EYESMATCHDAY PROGRAM
「V PRESS」

相手の攻撃は厚い。だがそれを押し返し、
背後を取って攻略する力が仙台にはある。

 戻ってきたホームで、ベガルタ仙台の底力を発揮したい一戦だ。

 ここ2試合の仙台は浮き沈みが激しい。前々節・山形戦は前半の2得点で突き放し、試合展開に応じた守備で危なげなく逃げ切った。しかし続く前節・清水戦では前半に圧倒されて先制され、後半に立て直すも2-3で敗れた。この2戦での相手のタイプやスタイルなどに違いはあるが、自分たちに矢印を向けてみれば、仙台の前に出るスタイルを出せたか出せなかったかが大きく試合内容に反映されている。相手の対策によってできないこともあるが、まずは自ら前に出るランニングを実行すること。清水戦後のFW7中島元彦の言葉を借りれば「勇気を持って前に出て、攻撃も守備もすること」が、勝利の鍵だ。手痛い結果に終わった後の試合だからこそ、この原点を思い出したい。

 今節の相手である千葉は、その仙台の前に出る姿勢が試される相手として申し分ない。非常に攻撃が分厚いチームで、昨シーズンの対戦時よりも多くの人数が関わった攻撃が洗練されている。今シーズンここまで6ゴールのFW10小森飛絢を筆頭に最終ラインの背後を突ける選手を多く有し、MF4田口泰士やMF44品田愛斗のように一発のパスで一気に決定機に持っていくことができる名手もいる。相手のスペースを見極めてたたみかける攻撃には勢いがあり、はまれば第8節・栃木戦で8得点を記録したような爆発力もある。

 確かに相手の技術もスピードも脅威だが、それを押し返す力が仙台にあることを忘れてはならない。背後を取られることを恐れるあまり、消極的になってしまってはいけない。前節・清水戦の前半はそれが災いして圧倒されてしまった。しかし後半に盛り返したように、プレッシャーの一歩目を鋭く繰り出すことで連動する選手たちも続けることができるし、ボールを奪った後にパスの出し手も受け手もボールを前に進めるためにダッシュすることでゴールへの道は切り開ける。清水戦の後半に見せた中島のゴールは、MF6松井蓮之のボールハントから一気に全員が前を向いてペナルティーエリアに向かった結果だった。終盤にMF27オナイウ情滋が決めたJ初ゴールは、DF22小出悠太が出した鋭いロングパスに呼応して、オナイウだけでなくDF25真瀬拓海やMF11郷家友太、FW98エロンらが向かったことで相手の守備を突き破り、生まれた結果だ。

 ここはホーム・ユアテックスタジアム仙台。前々節の山形戦で得点したMF14相良竜之介やDF5菅田真啓が「最高」と一言でその雰囲気を表したように、サポーターが応援によってホームチームの力を存分に引き出してくれるはずだ。勇気を持って相手を押し返し、背後を取り、PASSIONとともに何度もゴールを決めよう。