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【ジュニアユースU-15】オランダ・ベルギー遠征実施報告

掲載日:2024年11月7日

2024年10月11日(金)から10月21日(月)までベガルタ仙台ジュニアユースU-15の選手5名とベガルタ仙台アカデミースタッフ2名がオランダ1部リーグのスパルタ・ロッテルダムU-16とベルギー1部リーグのシント=トロイデンVVのU-18に練習参加いたしました。

10月11日(金)に成田空港を出発し、同日夜にオランダのアムステルダムからロッテルダム入り。10月12日(土)は午前中に現地の公園内でランニングとボールトレーニングで身体を動かした。

10月12日(土)午後は練習参加をするスパルタ・ロッテルダムの施設を訪問。スパルタは、1888年に創設され、ロッテルダムを本拠地とするオランダ最古の歴史をもつサッカークラブである。U-9からトップチームまでが1つのクラブハウスで活動。グラウンドは、アカデミーは人口芝4面(内1面はスタンド付き)、トップチームは天然芝2面の素晴らしい施設であった。
同日に、今回練習参加をするスパルタU-16の公式戦がホームで行われていたため、その試合を観戦し、アカデミーダイレクターやU-16の監督に挨拶を行い、クラブハウス内を見学した。

10月13日(日)午前は、ロッテルダム市内の街クラブのグラウンドでボールを使った練習を行い、午後はアムステルダム観光を実施。アムステルダムの建物はレンガ造りで街中には水路が大変多く、観光客が観光船で街散策をされる姿が多くみられた。

10月14日(月)午前は、アムステルダムにあるアヤックスのホームスタジアム ヨハン・クライフ・アレナのスタジアムツアーに参加。同スタジアムは、スタジアム内に高速道路が走っており、高速道路からそのままスタジアム駐車場へアクセスができる。スタジアムから電車の駅であるアムステルダム・ベイルマー・アレナ駅まで、徒歩5分となっており、平日はスタジアム内の駐車場を一般に開放することで、アムステルダム中心部の車の混雑を避ける役割を担っているとのこと。収容人数は53,320人で、屋根は開閉式、トロフィールームなどもある素晴らしいスタジアムであった。

同日、午後より、スパルタU-16への練習参加がスタートした。日本のU-15の生まれは同年代だと、U-16に該当する。U-16は平日15時からトレーニングを開始。水曜日と日曜日がオフ。土曜日が試合の1週間のスケジュールとなる。体格さはこの年代ではほぼないが、オランダ人の男性の平均身長は184センチで世界最長と言われている。U-17以降より体格さが生じているように他のカテゴリーを見て感じられた。

同日夜は、ベルギーのブリュッセルに移動し、ボードゥアン国王競技場でネーションズリーグのベルギーvsフランスの試合を観戦。日本では感じることのできない個の技術、スプリントで出ていく迫力、ハイレベルの組織的な攻防を見ることができた。

10月15日(火)午前中は、スパルタのトップチームの練習を見学した。日本人として、選手の三戸舜介選手とヘッドオブフィジカル&パフォーマンスの相良浩平氏が活躍されていた。

同日午後は、三戸舜介選手とミーティングを行った。海外で活躍されている選手の視点でベガルタ仙台のジュニアユース選手からのさまざまな質問に答えていただき、大変貴重な時間となった。

同日午後は、夜に練習試合が組まれていたこともあり、2グループに分かれてトレーニングが行われた。当クラブの選手は1時間ほどのトレーニングを行った後、練習試合についても前半または後半の40分のどちらかで出場機会を得た。対戦相手は街クラブの1つ上の年代のチームで、選手たちは試合前に英語での戦術的説明を受け、試合に臨んだ。練習時とは異なる球際の激しさ、スピードやパワーの違いを肌で感じることができる機会となった。

10月16日(水)は、ベルギーのシント=トロイデンVVに訪問。まず、大王わさびスタイエンスタジアムを見学し、アカデミーダイレクターの高野剛氏よりシント=トロイデンVVのクラブの説明を受け、その説明の中でヨーロッパで評価される選手の特徴などを聞くことができた。

その後、U16とU18の合同トレーニングに参加した。フィジカル、スピードの違い、個で勝負する強さを肌で感じられる機会となった。練習後、U-19のカップ戦を観戦し、同日の活動を終了した。

10月17日(木)午前中は、アムステルダム国立美術館を訪問した。オランダを代表する多くの作家の作品が展示されていた。特に、レンブラント・ファン・レインの夜警には多くの人が集まっていた。18才以下は無料となっており、多くの子供たちが学校の授業の一環で先生が説明している様子が各所で見られたことも印象的だった。

午後は、スパルタU-16でのジムトレーニングから始まった。体幹トレーニングや爆発的に出力するようなトレーニングを実施。その後、ピッチでボールトレーニングを行った。また、トレーニングの後、両クラブのスタッフのみでクラブ紹介とアカデミーの取り組みについてプレゼンテーションとディスカッションを行った。

10月18日(金)最後のスパルタU-16のトレーニングとなった。1週間のトレーニングを経て選手たちはお互いのプレーや人間性の理解が進み、ロッカールームでも仲のよい姿が見られ、よいコミュニケーションが図れていたように感じられた。

 

10月19日(土)スパルタの施設内で各年代のアカデミーホーム公式戦を視察した。
U-9は、1学年上のWestlandiaと5人制で15分×4本の試合が行われており、低年齢でもボールを奪いに行って相手が吹き飛ぶようなシーンもあり、球際に対しての激しさが感じられた。また、ポジションの固定もなく、よいプレーをしたときのみコーチからポジティブな声掛けをしており、選手たちの心が解き放たれて躍動感がみられた。
U-12は、Volendamとの 8人制の試合が行われていた。試合は20分×4本で行われ、フルピッチを半分に分けて、1チームを2つに分けて両面で同時進行、アウトオブプレーからのドリブルインあり、2本終わりで左右ピッチのチームを入れ替え、最終は左右ピッチの合計得点で競うというルールで行われていた。1チーム各学年20名前後とのことであったが、ほぼ休んでいる選手がおらず、プレータイムが多く、非常に考えられたレギュレーションであった。
U-17は、PSVと試合が行われていた。オランダ代表選手もお互いに数人おり、個人の技術、グループ戦術理解、試合の緩急などもあり、非常にレベルが高い試合であった。

同日、オランダ1部リーグのSparta Rotterdam vs Almerecityの試合をスパルタホームのSpartastadion Het Kasteelで観戦した。スタジアムはオランダ最古のサッカー専用スタジアムで11,000人の収容。建物はレンガ造りで非常に雰囲気のあるスタジアムであった。前半早々にスパルタは失点し、0-2となるが、前半で3枚替えを行い、後半はスパルタがより、前線へのスプリントが増えて迫力が増し、2点追い付いて2-2でドローとなる見ごたえのあるゲームだった。
10月21日にアムステルダムを出発、翌22日午前に成田空港に到着、午後に仙台に到着して、遠征を終えた。

【総括】
選手たちは、コロナの影響もあり、海外での機会に乏しい年代でもあったため、大変貴重な機会となった。各々が、自分自身の何が通用し、何が足りないのかという課題を理解し、帰国後の成長に繋げてほしい。
スパルタについては、U9からトップチームまでのすべてのカテゴリーのトレーニングまたは試合を視察し、また、各カテゴリーのスタッフとのコミュニケーションを通じて、何を重要視して取り組んでいるのかを学ぶことができた。
各クラブのスタッフの方々が非常にオープンマインドで、質問したことに関して非常に丁寧に対応いただき、改めて感謝を申し上げます。
非常に学びの多い機会となったが、学びだけで終えることにならないよう、クラブ内での具体的なアクションに繋げていきたい。