「無色透明で自分の色がない、誰かの後ろをついていくような、何も印象に残ることがない」
新体制に変わる2018シーズンのオーディション1回目、不合格という結果と共に伝えられた言葉です。
ルーキーとして先輩たちに負けないようがむしゃらに駆け抜けた2017シーズン。
2年目は、よりベガチアとしてたくさんの方に寄り添い活動していきたいと思っていたため、結果を聞いた時は「もうベガチアとして活動できない」という思いで目の前が真っ暗になりました。
しかし、2回目のオーディションがあることを知り、ここで諦めるわけにはいかないという思いでオーディションのフィードバックを何度も振り返り、自分をどうやって変えていくか毎日毎日考えました。
1回目のオーディションは、緊張と不安で頭がいっぱいで思うようなパフォーマンスを披露することができませんでした。
自分の伝えたいことや魅せることが何もできなかった結果があの言葉につながったのだと思いました。
ですから、2回目は楽しめるくらいの余裕と、ダメだったとしてもやり切ったと思えるくらい練習をし、メンタル面と考え方を改めて臨みました。
2回目のオーディションは、緊張もありましたがリラックスして臨むことができ、パフォーマンスも出し切れた気がしました。
当時は悔しさしかありませんでしたが、この経験が今のチア人生にプラスになっていると思えるようになりました。
あの言葉は、当時の悔しさや初心を忘れないために今でも読み返しています。
母がサポーターだった影響で物心ついた時からユアスタに応援に行っていました。
試合観戦はもちろん、ベガチアを見ることも楽しみのひとつでした。
「私もいつかあのピッチに立ち、サポーターのみなさんとひとつになってチームの応援をしたい」という思いと、母の勧めでベガチアを目指すようになりました。
しかし、当時はスクールもオーディションがあり、チアダンス初心者のわたしは大きな不安がありました。
絶対に合格したいという思いから、別のチームで2年間経験を積みオーディションを受け、それから12年間ベガチアとして活動を続けています。
また、チアだけではなくサッカーにも興味が湧き、高校時代は女子サッカー部に入部。
部活は毎日あり、チアの練習もある日は、ぎりぎりまで部活をして途中でレッスンへ行くという生活でした。
体力的にきつい時もありましたが、好きなことができているという気持ちと、周りの人の支えや理解があり、どちらも高校3年間続けることができました。
プレーヤーも経験したからこそ、「サポーター」という存在の大きさや応援がもたらす力を実感し、ベガチアの活動に誇りと責任をより強く感じられるようになりました。
TOP4年目となった今シーズンは「キャプテン」に任命されました。
はじめは、キャプテンという言葉に囚われて「いいチームにするには」「いいキャプテンとは」など、キャプテンとしてのあり方についてばかり悩んでいました。
私はこれまでメンバーから「考えすぎるところがある」と言われてきました。
その言葉通り、キャプテンだから失敗できないと一歩を踏み出せず、自信も持てず、でも日々は過ぎていく。
そこで、リーダーとはどんな考えを持っているのかを調べるようになり、ある言葉に出会いました。
「リーダーになる前は、成功とはすべて自分自身の成長を指している。だがリーダーになれば、成功とは他の人の成長を意味する」
この言葉のおかげで「私が」どう変わるかではなく「チームが」どう変わるかを考えるようになりました。
また「しっかりしなくていいよ。キャプテンに選ばれたのは、もっと別の意味があると思う」というMizukiの言葉が背中を押してくれました。
キャプテンになったからといってこれまでの取り組み方や考え方を変えるのではなく、今までの自分を見て選んでもらったのだから、その部分を軸にすればいいと確信しました。
2020シーズンはメンバー7名の半数が2年目以下、経験の浅いチームです。
新型コロナウイルスの影響で活動休止期間があったため、今まで以上に積極的に取り組み、短期間でチームが成長しなければなりませんでした。
「一人一人の成長」が「チームの成長」へと直結する一年です。
若いチームだからこそ、一回のパフォーマンスが大きな経験となり、より成長できるということでもあると思います。
私自身が一歩前進する以上に、周りのみんなが二歩・三歩と前進できるように背中を押し、結果としてベガルタチアリーダーズというチームを大きく前進させたいと思います。
最後に、どんな時もチームへエールを届けてくれるサポーターのみなさん、本当にありがとうございます。
みなさんの応援は必ず選手の力となっています。
ベガチアへの温かい言葉も、私たちの原動力となっています。
残りの期間も最後の最後まで全力でみなさんの後押しをしていきます。
2020ベガルタチアリーダーズキャプテン Kotono