2018JリーグYBCルヴァンカップ プレーオフステージ 第2戦 湘南ベルマーレ
お疲れさまでした。まずは、(JリーグYBC)ルヴァンカップのプレーオフのゲームに関していうと、年間シートを買って下さった方々も、このゲームは自分でチケットを手にしようとしないと、足を運ぶことはできません。そういう状況にもかかわらず、10,000人を越えるサポーターが集まってくれました。
「ドラマを起こしてみせよう」というところにおそらく共感して集まってくれた10,000人だったのかなと思います。本当に彼らの、素晴らしい声援と後押しがあったからこそ今日のようなゲームができたのかなと思います。本当に、感謝しています。ありがとうございます。
悔しいです。感想は。やはりあれだけのものをやってくれた素晴らしい選手たちなので、何とか次のステージに進ませてやりたかったのですけれども、それが叶わずにただただ悔しいです。
今日の90分に関していえば完勝と言ってもいいのですけれども、やはり2試合でどういうスコアになるのかというものは、ルヴァンのプレーオフのレギュレーションですから、そういう意味で考えると、我々がアウェーゴールを取れなかった、あるいは平塚の地でアディショナルタイムで3失点をしてしまった、あるいは今日のゲームでいうと、アウェーゴールを与えてしまった、そのあとに我々が攻勢に出たところでしとめきることができなかった、そういうものがやはり結果としては重くのしかかったのかなと思います。
ただし、今のロッカーでも悔し涙を流している選手もいましたし、それを忘れずにエネルギーに変えて次に進めれば、あるいは今日、我々が実際に90分の中でやれたこと、そういうものを自信として次に進めれば、おそらく残りの試合ではもっともっと素晴らしいベガルタ仙台というチームを披露できるのではないかと、私自身は思っているので、しばらくはロシアに目を注いで、少し休んで、英気を養いたいと思います。
■布陣を第1戦から3-4-3に変えて攻勢に出ましたが、その狙いと、うまくいった部分を教えてください。
まずは第1戦を何度も見直した中で、やはり相手の最終ラインの背後というものは意外と取りやすい。ただし、第1戦ではそこのランニングを見逃していたり、ちょっと手間をかけすぎたりというものがあったので、だとすればもう完全にミラーにして、湘南さんのディフェンスが食いついてくれますから、それを裏返しにして背中を取っていこうというゲームプランが、おそらく点を取ることに関してはいいだろう、という狙いがありました。
そのために、少しいつもとは違うようなシステムにして臨みました。
ただし、やれ3-5-2だ、3-4-3だとあるのですけれども、ここまでチームとして、そもそもの戦術的な理解とか、実際のプレーだとかが深まってくれば、やれるんじゃないですか。相手を見てシステムを変えるということに関していえば。あまり私としては3-5-2だ3-4-3だというところでの縛りはなくて、そもそもの我々のプレーモデルを理解させるために、3-4-3で始めて、そこが深まってくれば3-5-2もできるし、それも深まってまた変化をつけられればまた3-4-3に戻せるし、と、ただそれだけだと思います。
実際にそれを、今日は短い準備期間の中であれだけできたということは、選手の成長の証だと思いますし、いろいろな狙いがあってシステムを変えましたけれども、そんなにこだわる必要はないかなと思います。
■10000人は満足して帰ったかもしれませんが、監督の究極の理想とする90分間敵陣でハーフコートゲームをするというものは、今季初めて見られたように思いわくわくしていました。これは、90分にビハインドで入るというところでこういう展開になるのか、それともこれからリーグ戦でも随所に見られるのか、どちらでしょうか。
理想をいえば、90分間を相手陣内でプレーし続けたいですね。ただし、今日のゲームに関していうと、我々がどうやって0-3をひっくり返してドラマを起こしてやろうかということが大前提としてあるので、こういうシチュエーションになるのは、やはり想像しやすいと思います。そして実際に、我々がしかけていった先に、理想型に近いものを披露することができた。
それが(明治安田J1)リーグ戦で、あるいはこの先の天皇杯でやったときにどうなるのかということは、冷静に考えないといけないと思います。少しリスク管理のところは、思い切ってこうやっていいよということも選手にも伝えていて、実際にそのようなかたちで攻撃に厚みをもたらすことができました。もちろんそれで相手が下がってくれれば、なおいいことなのですけれども、やはりそうはさせないというところも、当然ノーマルな戦い方ではあるので、もちろん理想というものは追い求めつつ、ゆっくりと今日のゲームを私自身振り返って、実際に通常のゲームでもどれくらいそういうものができるのか整理して、もちろんトライはしていきたいと思います。
■今日は、平岡選手や金正也選手のように3バックの一角がかなり敵陣の奥深くまで上がっていくかたちが見られました。そういう場面は今までにもありましたが、これからもっと増やしていきたいところでしょうか。
リーグ戦の(第15節)鹿島戦が終わった後から、そういう仕込みはトレーニングの中でしていました。実際、そういうはたらきかけを選手にもしていましたし、それがちょっとずつかたちになってきたかなというのは湘南戦の第1戦、あるいはこの間の(天皇杯2回戦)群馬戦、そして今日というものにはなったと思います。
先程の話と重なりますが、0-3をひっくり返そうと思えば、そういうしかけも必要だし、いつもよりは意欲的に出ていった部分もあると思いますが、意図的です。これは別に、0-3でなくても3バックの一角がああやって上がっていくということは、どこかのタイミングで私自身やりたいと思っていました。実際に、それが私の今シーズンの当初のプランでは、このW杯の中断期間のどこかでやろうと思っていたのですが、プレーオフや天皇杯というゲームが3つ獲得できたので、そこで試すためにも、鹿島戦のあとから仕込んで、今日もやりました。
そのために、たとえばタイミングだとか、本当はもっともっと裏を取れるのに取れなかったとかいうのは、今日のゲームの中でもあったので、そこを中断期間で整理すれば、もっと面白いものは見せられるかなと思います。
■このプレーオフステージのあった1週間は心理的にもタフだったと思いますが、このプレーオフでチームとして得られたものを教えてください。
この悔しさが我々を成長させてくれると確信しています。本当に今、ロッカーでみんなが本当に悔しい顔をしていて、ともすれば今までの仙台だと、「プレーオフまで来たからいいじゃないか」とか、「第1戦で0-3だったらちょっとしんどいんじゃないか」とか思う人間が出てきかねなかったと思うのです。まずはそれを私自身払拭したかったし、「プレーオフまで来たことは満足じゃないぞ」「0-3でもひっくり返せるんだぞ」、ということを今日の第2戦で見せたかったです。
実際にそれをやれると、私自身も思っていましたし、最後の最後まで誰一人諦めていなかったと思います。それが、何よりも我々にとって大きな財産になると思います。もちろん、ここで大きな目標を断たれてしまってものすごく悔しいのですけれども、でもいいことばかりじゃないですから、人生は。ここからどうやって立ち直れるかが、男の見せ所だと思うので、たぶんこれは我々にとって非常に大きな財産で、とてつもないエネルギーとなって我々を成長させてくれると信じています。