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試合日程/結果

2018 明治安田J1 第29節 浦和レッズ

<渡邉晋監督記者会見>

 お疲れさまでした。今日、スタジアムに入る前に、サポーターが我々のバスを入り待ちしてくれていて、そういう光景は本当に久しぶりでした。
 多分、記憶を遡ると、ああいうことをしてくれたときというのは、我々がおそらく残留争いで苦しんでいるときに、我々を鼓舞してくれるようなタイミングだったのかな、と思い出しています。
 でも、おそらく彼らが今日それをやったということは、本気で「お前ら、5位(以内)を目指すんだろう」という彼らの意思表示だと思うので、そういう意味では非常に嬉しかったですし、心強かったです。
 実際に、18,000人を越えるサポーターに集まっていただきましたし、非常に魂のこもった、気迫のこもったゲームを見せることができたと思っています。
 ただ、ずっとホームでは勝てていたのですが、今日はその勝利と歓喜をサポーターに届けることができなかったので、非常に悔しく思います。でも、残りゲームがどんどん少なくなっていくにつれて、目の前のゲームに集中して、パワーを出すこと、エネルギーを注ぐこと、それを、下を向かずにしっかりと準備をして、また次のゲームに望んでいければと思います。

■ボールを持つ時間も多かった中でも、勝ち越し点を奪うためには何が必要でしたか。また、梁選手と椎橋選手を先発起用した効果をどのように考えていますか。

 まずは、ボールを握るということに関していうと、我々に対してだいぶ浦和さんが対策を練ってきたな、ということが最初の印象としてあって、ではそれをどうやって外そうかということに関していうと、前半は少し苦労した部分があったと。ただし、それを利用すれば絶対に空く場所があったので、そこを整理して、前半の途中で、あるいはハーフタイムで、その修正をした後には、意図的に前進できたと思います。
 ただ、もう少し、実際は人数を前線にかけたかったです。そこでプラスワンを作るという作業をもっともっとやりたかったですし、実際にそういう狙いを持ってトレーニングもしてきました。だから、そこをできなかったのはなぜかというと、おそらくボールを動かすテンポや、あとは実際にやっている選手たちが少し慎重になった部分もあったと思うのです。その辺はまた、スコアやゲーム、時間の経過とともに変化するものなので一概には言えないのですが、ちゃんと映像を見て振り返れば、また違うものを出せるのかなとは思います。
 あとは、ふたつ目の質問で、椎橋と梁を使った理由としては、単純に彼らは調子が良かった。そこが1番です。トレーニングゲームでもしっかりと前向きに取り組んで、エネルギーを発揮して、彼らの良さというものを出してくれていましたから、ここ2つ勝ちが続いていない中で、そういう彼らのパワーを利用するタイミングかな、というのが1番の理由です。
 実際に椎橋はしっかりとボールを落ちつかせていましたし、ボール奪取もありました。もう少しテンポよくボールを動かせば、もっともっと先程言ったようなプラスワンを作る作業というものはできたと思うのですけれども、そこは、何せボランチで(先発で)出るのは初めてだったと思うので、反省して修正すれば、次はもっとやれるんじゃないでしょうか。
 梁はさすがだな、と思うシーンはありました。彼の前線への飛び出しで、効果的なものもありましたし、瞬間的にボールをぱっと落ち着かせられる、そういう彼の技というものはさすがだなと思いました。

■テンポよく動かすという話で、2トップに(ボールが)入るときに結構向こうがついていって、2トップに仕事をさせてはならないというように、3人でカバーしてきましたが、そこでおさまらないから、もう1人がいけない、ということでしょうか。

 いえ、浦和さんはオリヴェイラさんになる前は、もっと我々のシャドーのところ、今日で言えばインサイドハーフのところに食いついてきてくれるので、我々にとって入れやすい、あるいは背中を取りやすい。でもオリヴェイラさんになって、我々が仮に2トップだとしたら絶対に一人余らせて3対2にしておく、ということであれば、不用意に打ちこんで、失ってカウンターというのも、おそらくやっている選手にしてみれば感じていたと思いますし、勿論そのタイミングがジャストになれば、刺せるのですけれども、今日で言うと、そのタイミングがちょっと遅れたというところと、浦和さんの狙いとものとで、なかなか刺しづらかった。そうであれば、誰が空くのかという作業も、トレーニングしていたのですが、そこもうまく前半は消されていた印象です。
 では、今度は誰が空くのかという作業にまたなってきて、そこをしっかりと探せれば、我々も前進できて、その先にプラスワンを作れたというシーンがたぶんあったと思うのですけれども、たぶんそこでちょっと、我々が浦和さんの狙いに対してアジャストするには、前半はちょっと時間がかかってしまったという印象です。
 だから、2トップがどうこうというよりは、そこを消されていたらどこ、じゃあどこ、という作業が、少し探すのに時間がかかってしまった、というのが今の印象です。

■修正しきれなかった中でも、前半のうちにセットプレーから追いつけた試合運びについてはどう思われますか。

 まず、「修正しきれない」というところは、ここまで30試合弱やっていると、いろいろなものを対策として練られるので、それを瞬間的に修正する力が我々にはまだ備わっていないというところが、逆に言うと我々の伸びしろで、準備をしてもっともっといろいろな手立てをもっと取れれば良かったのですが、修正しきれない、という言い方だとちょっと嫌で、修正できた部分もあります。
 おっしゃったように、そこからゲームをもう一度動かすとか、スコアを振り出しに戻すという作業について言うと、リスタートというものはものすごく大事になってきていて、去年は我々はリスタートでゴールを挙げられたのは、我々のカウントで言うと、少なかった。逆に言うと入れられたのが多かった。みなさんのカウントと違うかもしれませんが、そこに関しては、今シーズンのキャンプから共有していて、「そこでゲームを動かそうよ」というトレーニングをしてきました。
 何より、コーチ陣が目を真っ赤にして毎日映像を見て、浦和の弱点やストロング(長所)というものをリスタートに関してやってくれているので、ただただそれには感謝しています。それを、選手が信じて実行してくれている。それにも、感謝しています。だからこそ、今日のようなかたちでしっかりと追いつけたと思っています。

■後半の入り方が良かったのですが、何がそこにつながったのでしょうか。

 まずは我々が、しっかりと、意図的にハーフタイムで修正をかけられました。プラス、浦和さんの立ち位置が若干変わったこと。その2つが、大きな要因かな、と思っています。
 ただし、残念なのが、後半の立ち上がりにそういうものができたのだけれども、最終盤ですよね。アディショナルタイムを含めて10分、15分くらいでしょうか。あそこでもう少し、我々が同じようなかたちでボールを動かそうよ、というイメージになってくれたら、多分もっとチャンスを作れたと思います。
 そこは、ハモン(・ロペス)が入って、シンプルにハモンに、というところも狙いとしてあったのですけれども、最後にそればかりになってしまったので、あそこで少し落ち着かせて、相手陣内に進入できるような形を作れると、再終盤で我々も、浦和さんが作ったようなものと同じくらいチャンスを作れたのかなと思っているので、そこはまた修正したいと思います。