2018 明治安田J1 第8節 川崎フロンターレ
お疲れさまでした。今日もホームのユアスタに、たくさんのサポーターに集まっていただきました。素晴らしい声援を送っていただきまして、本当にありがとうございます。
理想をいえば勝点3を取りたかったし、取れたゲームだったというように思います。でも、一方で、もしかしたら今までの我々だったら勝点1も取れなかったかもしれないと。そこは、あまり去年との比較はしたくないのですけれども、間違いなく我々は成長しているというものを示せたゲームだったかなと思います。
ゴールが生まれなくて、わーっと沸くような瞬間はなかったのですけれども、おそらく、今日このゲームを見た人は、「ああ、サッカーって素晴らしいな」「Jリーグも捨てたもんじゃないな」というものを確認できたのではないかと思います。
我々もしっかりと狙いを表現できましたし、先程申し上げたように願わくば勝点3を取りたかったのですけれども、これからまたトレーニングをして、次回こそは勝点3をしっかり取れるように、やっていきたいと思います。
■昨年のJリーグYBCルヴァンカップ準決勝の2試合と、その直後の明治安田J1第29節の川崎F戦の逆転負けを踏まえて、今日の試合に向けて準備してきたことがあれば教えてください。
まず、メンタル的な準備をして、選手にミーティングで伝えたのは、「川崎Fは去年のチャンピオンだけれど、それは去年の話だ。今年は違うぞ、というものを見せてやれ」という話をしました。やはり、悔しい負けを変に引きずる必要もないですし、そのようなちょっとネガティブな要素は一切払拭してゲームに臨ませたかったので、そういうような声がけをして送り出しました。実際、彼らはしっかりと勇気を持って、自信を持って、強気で臨んでくれたと思います。
戦術的な狙いでいけば、あまり大きな違いはないです。基本的には、川崎Fさんの攻撃体勢を作らせない、その前に我々が前からボールを奪いに行く、それができなかったときにブロックを組む。ブロックを組むところでの、若干の修正はありましたけれども、それも今日は、大きな破綻はなく、やれたのかなと思います。
攻撃の部分でいえば、前半は非常にダイナミックに動き出して、相手のサイドバックの背後を取れたのですが、後半はなかなかそれができなかった。90分のパワーというものを考えれば、去年の反省がもうちょっと生かせればと思いますし、去年は1人多いのに逆転されていますから、去年の反省は生かせたかもしれないし、その両面があったと思います。
■中二日であったり、人が入れ替わったり、激しい雨になったり、という状況で、終盤にミスは増えたかもしれませんが、それでも最後まで90分間攻守の切り替えが速いまま続けられた要因には、先程に挙げた、自信というものもあるのでしょうか。
はい。まず、戦術的にどういうねらいがあるのかを全員が理解しているからこそ、しっかりと動き出しができるし、迷いなく動くことができる。それは別に、昨日や今日に我々がやれたのではなくて、これまでの積み上げでそういうことができているというものを、証明できたのかなと思います。
あとはやはり、メンタル的な要素は大きいかな、と。ハーフタイムで選手に、「お前ら、きついか?」と問いかけました。そうしたら、「きつくない」と。「だったら残りの45分もやってこい」という話をしました。実際、彼らもそれに応えるくらいの強気を持ち続けてくれましたし、決して0-0でOKだというメンタリティーではなかったと思います。やはり、勝点3を取りに行くんだということを示し続けたからこそ、結果的には勝点1にすぎないかもしれないけれども、素晴らしいゲームができたのではないかというようなところが大きいのかな、と思います。
■(失点を)0点に抑えたということで、常田選手を中心とした3バックの評価をお願いします。
トキ(常田)が中心かどうかは置いておいて、素晴らしいパフォーマンスです。おそらくJリーグでも最高レベルの攻撃陣で、なおかつ1トップの知念選手を除いてはみんなフレッシュな状態で、その錚々たるメンバーを相手に、堂々と渡り合えたと思います。
まずは、前からボールを奪いに行くときに、どれくらい最終ラインの3人が勇気を持ってプレッシャーをかけにいけるかがポイントだったのですが、本当にそれは90分を通してやり続けてくれたと思いますし、自陣での守備においても、自分の背中を取らせない、相手の前方ランを吸収する、そういったところを本当にまめにやってくれたと思います。
もちろん、3枚だけの力ではないのですけれども、(関)憲太郎も含めて、あるいは周りの選手も含めて、全体での組織的な守備というものは、しっかり披露できたのかなと思います。素晴らしいできだったと思いますよ。
■攻撃陣では、今年は初めてリーグ戦では石原選手が先発しないかたちで、ジャーメイン選手と西村選手の2トップで非常にチャンスが作れたのですが、評価しているのか、欲をいえば少ないチャンスでも決めきってほしかったのか、いかがでしょうか。
両方です。
まずは、特に前半に、ジャメ(ジャーメイン)と(西村)拓真の動き出しの早さと、ともすれば強引さ、少し理詰めではないところのがんばり、そういうところで、我々が前進できた、あるいはチャンスができたということは間違いなくありますから、その辺は若さ故のものだと思いますし、ダイナミックさを表現できたと思います。
ただやはり、おっしゃったように、ラストパスはどうだったのか、あるいはフィニッシュワークはどうだったのか、その辺はもっともっと突き詰める要素がありますし、それを今はトライしているところです。彼らも、チームも。そこは少し慌てることなく、長い目で見てやってください。それができれば、W杯の代表にも呼ばれるかもしれないし、今はそれくらいの立ち位置にいると理解しているつもりではいます。
■常田選手は後半にクリアのところで少しヒヤリとさせられるところはありましたが、同じDF出身の監督から見て、今日のクオリティーの部分ではいかがでしたか。
ああいうクリアミスみたいなのは、もっと出るかなと思っていたので、想定内です。
トキが今、良くなっているのは、予測の部分です。守備はやはり、頭を働かせて相手よりもポジションを取る、インターセプトを狙う、裏をカバーする、そういうものがトキは足りなくて、どうしてもリアクションになってしまっていたのですけれども、そこはずっと口酸っぱく言っていて、「守備はアクションだぞ」と。自分の予測が早ければ、先にポジションを取れるし、ボールも取れると。ではその正しいポジションがどこなのかというものを、根気よく我々もアプローチしてきたのですが、ようやくそういうものが、彼も整理できたのかなと思います。
だからこそ、ボール奪取にもつながっていると思いますし、安定した守備というものにもつながっていると思います。今日のパフォーマンスは、素晴らしかったと思います。本人も多分、自信がつくのではないですか。
ただし、いつも言っているのですけれども、あいつはすぐに調子に乗るので、あまりほめることなくこれからもびしびし鍛えていきたいと思います。