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試合日程/結果

2017 明治安田J1 第25節 サガン鳥栖

<渡邉晋監督記者会見>

 お疲れさまでした。9月はホームゲームがこの1試合だけで、おそらくサポーターの皆さんも今月、その1回のホームゲームというところで楽しみにされていた方もたくさんいらっしゃったかと思います。そういったサポーターの後押しをしっかり受けながら、勝点3を取れたことを非常に嬉しく思います。
 ただし、ルヴァンカップのクォーターファイナル(準々決勝)の2試合同様に、最後に宿題をもらうというか、落ちがついてしまうというのが、まだまだなんだなという感じがしています。やはり、(失点)ゼロで終わらなければいけなかったし、欲をいえばもうひとつ取れたでしょうし、そういったところがまだまだなんだな、というところは感じさせられました。
 ただ、今日のゲームの重要さというものを、選手、それからスタッフもチーム全体として認識していて、今日の勝点3を得ることで、我々がこれから中位より上というものに食らいついていく資格を得たと思っています。ただし、今日の勝点3ではまだ、資格を得ただけなので、実際にそういったところに我々が上がれるように、次の試合に向けてもしっかりいい準備をしていきたいと思います。

■野津田選手を、左のシャドーで先発出場させた意図を教えてください。

 あまり多くを話してしまうといろいろ対策を練られてしまうところもあるのですが、対鳥栖というところでポイントとなるのは、シャドーのランニングでした。しっかりとそこが、前に走って、相手の背後を取る、それに伴って1トップのところで足元におさまる。そういったものが、今日のゲームにおいてはポイントでしたので、ガク(野津田)をシャドーで使うとしたら、右、左どちらがいいのかなということはちょっと考えました。
 右に置くと、足元でまず引き出してから、カットインというような作業がおそらく多くなると思うので、左に置けば、相手の背後を取った先でも、そのままスピードを落とさずにゴールに向かっていけるというものを期待して、ガクを左に置きました。
 あとは、守備のバランスの部分で、今は右のシャドーの奥埜が非常にいいかたちで守備の貢献があるので、そこを崩さずに、といったところで、今日の組み合わせにしました。
 もちろん、(西村)拓真も今は非常に調子が良くて、誰を使おうかと悩ませるくらいの働きなのですけれども、ちょっといろいろ目先を変えることも考えて、今日の3人の組み合わせにしました。

■1トップ2シャドーとボランチが自由に動けて、ディフェンスラインとボランチの間でのギャップをすごくうまく突けたと思うのですが、そこはどういう狙いでしたか。

 正直なところ、前半はまったくうまくいきませんでした。
 もっともっとシャドーが空いているような感じに、我々には見えたのですけれども、そこはたぶん鳥栖さんの消し方もうまくて、おそらく出し手からすると意外と空いているように見えなかったのかな、という感じがしています。
 もちろん、皆さんも上から見て、俯瞰(ふかん)してみれば「シャドーが空いている」と思った部分もたくさんあったと思うのですが、実際に平面で見ると、意外とそこで嫌な立ち位置を相手に取られたので、難しかったと。ではそうなれば、空くところはどこなのかというところで、ハーフタイムでちょっと修正をして、ああいったところに出したら、その先にまた今度、我々が今度は落としどころとして持つところはどこなのかというような作業を、ちょっと整理しました。
 結果、後半の入りも良かったですし、その中で狙いというものをみんながしっかりと表現してやったことで、後半のああいったかたちの攻撃のスムーズさが生まれたと思います。必ずしも立ち上がりから良かったかというとそういうことではなくて、逆に言うと、うまく前半と後半で修正してやれたのも、選手の成長の証なのかなと思います。

■(仙台加入後)初アシストの古林選手と初ゴールの野津田選手はまだ加入して日が浅いのですが、連係面での評価をお願いします。

 まず、(古林)将太からですけれども、加入当初よりも、しかける意識というものが増えてきたと思います。入ってきた当初は、割とシンプルにクロスを上げるとか、味方を使うだとか、そういったプレーに終始していたと思いますが、ちょっとそこは本人とも話をして、こういうしかけをやると相手が嫌がって、それに伴って味方の動きがこうやって空いてくる、ということが、たぶん今は整理できていて、積極性も増えて、今日のようなかたちになったのかなと思います。
 あとは、実際に将太も、自分のクロスにこういう特徴があって、こういうタイミングでこういうところに入ってほしいというものを、中の人間にたくさん伝えていますから、そういったところで、実際にタイミングが合って、ボールが合ってきたというかたちだと思います。ただし、もっと上下動を繰り返してやれると思うので、これに満足することなく、もっとやってほしいという期待はしています。
 野津田ですけれども、今日もゴールが右足でした。彼が今年こちらに来たときに、我々は(2015年明治安田J1・1stステージ第9節で)彼に右足ですごいゴールを決められているので、「うちに来ても右足で一回決めて見ろ」という話を冗談でしていました。ただし、今日は非常に、先程にも話をしたような左サイドにいるときの狙いと、実際にカウンターで出ていったときに、あのときは右サイドだったと思うのですが、やはりああやってダイナミックに出ていけるのも、ひとつのガクのストロング(ポイント)だと思うので、非常に素晴らしい働きだったと思います。
 あとは、ミドル(シュート)を、左で2本くらい打ったと思うのですが、あれをゴールマウスをしっかりとらえるような作業がもっと増えてくれば、相手の脅威にもなれますし、我々の大きな武器になるのかなと思っています。

■試合2日前に、上位との5試合が続く中で勝点を取るため「おそれず、ひるまず戦う」とおっしゃっていましたが、この試合ではいかがでしたか。

 前半の、その修正点を考えると、もう少しやれたのではないかという気がしていて、それは今おっしゃったように、おそれずにやること、ひるまずにやることと、多少はリンクしているのかなという感じがしています。もっともっと、こうやってポジションを取れば、前半からボールを動かせたでしょうし、相手の逆も突くことができたのかなと思います。
 ただし、今は本当に選手が、相手の出方をしっかり見て、自分たちの立ち位置を変えたり、ゲームをプランニングしたりコントロールしたりしているからこそ、前半はこれでOKだというような感覚で選手がいたかもしれないのです。
 だとすれば、トータル90分で考えたと思うと、非常に成長したのかなという感じがしています。あれだけやはり、後半になって相手(の運動量)が落ちてスペースが空いてくれば、楽しくやれたでしょうし、そういった部分も、おそれずひるまず、といった部分につながるのかなと思っています。
 ただし、反省するところはたくさんあるので、先程も申し上げたとおり、今日のゲームで我々が得たのは、上位に対するチャレンジという権利だけなので、そういったところに食い込めるようにするには、ひるまず、おそれず、やらなければいけないと思います。