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試合日程/結果

2017 明治安田J1 第13節 アルビレックス新潟

<渡邉晋監督記者会見>

 お疲れさまでした。14000人を越えるサポーターが集まってくれました。最後の最後まで我々の勝利を信じて、後押しをしてくれたことに、心から感謝を申し上げます。
 ゲームの入り方、あるいは前半の進め方は、非常に良かったと思います。意図的なチャンスをしっかり作り出しましたし、意図的にしっかりボールを動かして相手を動かしましたし、効果的なアタック、そこから生じるリスタートもたくさん取れたと思います。
 もちろん、今回のゲームも前半早々にビッグチャンスがあったので、それをしっかり仕留めていれば、おそらくもっと我々にとっては、困難ではないゲームにできたという感じはしています。
 ハーフタイムでは、後半に向けてのアタックの修正と、前半のカウンターというような危険なシーンはほとんどなかったので、引き続きリスクマネジメントのところを手堅くしていこうという話をして送り出しました。たぶん、今回も本当に、我々のつまらないミスから流れを引き渡したんですよね。それが後半の早々にあって、そこから何となく新潟さんの方に流れが傾いてしまったというのは、私の今の感想です。なので、(前々節の)大宮戦と同じでしたし、我々の手で、自らゲームを難しくしてしまったという印象を持っています。
 ただし、大宮戦と違うのは、そこからしっかり我々が逆転できたこと。勝点3を取れたこと。これもまた、我々の成し得た結果ですので、そういったものはポジティブにしっかりとらえて進んでいきたいと思います。
 ようやく我々が目指しているようなかたち、あるいはゴールへの道筋というものが見えてきました。本当に、あとはそこをしっかり仕留める作業、あるいはクオリティーをあげていく作業、つまらないミスをなくして流れを渡さない作業、そういったものをもっと突き詰めながら、これから突き進んでいきたいと思います。

■ルヴァンカップとの兼ね合いもあると思いますが、1トップ2シャドーについて、今日の先発の組み合わせと、途中でのクリスラン選手と西村選手の同時投入の意図を教えてください。

 まず、今日のスタートで起用した1トップ2シャドーの3人の組み合わせは、ずっとキャンプからこの3人でやってきていますし、コンビネーションは非常にいいというのは私の中で認識をしていました。実際にそのようなかたちを、前節の横浜FM戦では見せてくれていましたから、横浜FM戦の流れを組んで、この3人の組み合わせを選択しました。
 実際に、前半も数多くチャンスを作ったのは、彼ら3人の効果的な働きがあったからこそだと思いますし、それにともなうウイングバックのいい位置取りがあったからこそだと思っています。
 ただし、前半のチャンスを少し逃しているあたりから、何となく自分たちでうまくいかないというような空気を出していた感じがしていて、もしかしたら本人たちはそうではないかもしれませんが、私の目には何となくそう映ったのです。実際に後半、やっぱりそこのところで少し引っかけられたところが見られましたから、もちろんこれは彼ら3人だけの問題ではなくて、出し手の方もそのタイミングで出していいのかということは精査しなければならないと思っています。
 でも、先に点も取られましたし、ルヴァン(カップ)でクリス(クリスラン)を1トップにして(佐々木)匠と(西村)拓真の関係性も非常に良かったので、思い切ってセットでクリスと拓真を送りこんだ、というのが交代の狙いです。

■永戸選手のクロスの精度が高まって、相手の脅威になっています。彼の成長ぶりをどう見ますか。

 今日のポイントはハチ(蜂須賀)と(永戸)勝也でした。相手が中を閉めるのは予想されていましたし、我々のウイングバックがどれだけ高い位置を取ってそこで脅威となれるか、それがこのゲームのポイントだと思っていましたので、前半からそのようなしかけをしてくれたと思います。どちらかというと前半は右のハチの方が前進する機会が多かったと思いますけれども、それはおそらく新潟さんの守り方とか、我々が警戒しなければならない7番のホニ選手のポジションを、逆に言うと我々が押しこんだからこその展開だという感じはしています。
 勝也も実際に、自分からしかけていってそこからクロスを供給する姿勢というものは本当に日に日に高まっているので、そのあたりは我々も期待をして毎回送り出しています。ハーフタイムには「カットインしてシュートを見せられると相手も戸惑うよ」とは言ったので、後半にちょっとふかしてはしまったけれども、トライはしてくれました。そういうものを出していければ、対策を練られたとしても、もっと彼のプレーの幅が広がっていくという感じはしています。
 やはり、このシステムでやっている以上、そこの2人が相手の脅威にならなければ怖さは与えられないので、勝也の今のプレーぶり、あるいは成長ぶりには非常に満足しています。ただし、これからもっと良くなるというようなところを、しっかりと本人も考えながら、成長を止めることなく、突き進んでくれればと思います。

■ハーフタイムの攻撃の修正と、今日はベンチに野沢選手を入れた意図を教えてください。

 ハーフタイムの修正ポイントは、シンプルにサイドを使おう、というようなところです。我々が相手陣内に新潟さんを11人押しこむことができていた前半だったので、そこからどうやって最後のボックスの中に入っていこうかということを考えていたのですけれども、もう本当に、シンプルにワイドで一対一にさせていれば、もっと相手がいやがるだろうになと。それに対しては、彼らもスライドしなければいけませんから、そこで疲弊もしますし、そうなればおそらく中央でのコンビネーションも生み出せる、と。そのようなところをちょっと整理させました。
 それをやるためには、後ろの立ち位置を少し変えながら、右だったら(大岩)一貴が前進させられるようなポジションを取らせるといったことは、トライしました。おそらく、それをやったからこそ、後半はカウンターを受ける回数が多くなったのかなという感じはしていますけれども、それは我々も少しリスクを冒して、サイドからより効果的に攻めようという狙いがあってのハーフタイムの修正です。
 野沢の今回のベンチ入りについてですけれども、非常に今は調子がいいのです。紅白戦でなかなかAチームの方には入れなくても、やはり相手チームで非常にいい立ち位置でボールを受けますし、そこからのスルーパスはやはり(野沢)拓也じゃなければ出せないというようなものを、非常にたくさん見せてくれていました。やっぱり調子がいい選手はどんどん入れていきたいですから、そういったところで今回の18人の中に入れました。
 今回、新潟さんがこれくらい引くということは想像できていたので、本当に何か手詰まりになったら、最後に拓也を2トップの下、トップ下に置いてフリーマン的に自由に動かせて、そこから拓也のアイディアとか、彼の精度を期待して、何かを起こせるのではないかというところを、頭の中ではプランとして持っていました。
 ただし、実際にそこで、真ん中で何かを起こすよりは、ワイドから今日はシンプルに行った方が相手も嫌がるだろうと。クリスも入れましたから、ターゲットにもなりえますし、そちらの方が効果的ではないかと思って、最後の交代のカードの一枚は、中野にしました。