2015 明治安田J1 1st 第6節 川崎フロンターレ
<総括>
お疲れさまでした。ホームに、いつもたくさんのサポーターに集まっていただいて、非常に感謝しています。そのサポーターと、今シーズンはずっと負けなしで、できれば勝点3を喜び合いたい、そういう一年にしたいと私自身思っていましたし、選手もそう思っていますし、サポーターにもおそらくそう思ってもらっていると思います。しかしながら今日は、残念ながらサポーターにその笑顔を届けることができなかったことが非常に残念で、悔しい思いで今はいっぱいです。
前半は締まったゲームができたと思います。守備一辺倒ということでもなかったですし、得点シーン以外にもチャンスも作り出せましたし、そのなかでもう一つ追加点を取れていれば、というところが反省点としてありますが、いいゲーム運びができていたと思います。
後半に向けて、「1-0だけれども何も終わっていない。決して受けることのないように、襲いかかる準備をしよう」という話をしながら、相手もメンバー交代をしてシステムを変えて、その出方を察知して我々もシステムを変えて、という矢先の失点だったので、そこはもう一度映像でも振り返りながらしっかり反省していきたい、というふうに思っています。
追いついたところ、その後にまたひとつ押しこまれたところで、最後にまたパワーを持って追いつこう、といった姿勢は選手の頑張りでもありますし、何とかそれを、最低でも勝点1につなげられればよかったかなというように思っていますが、まだまだ先も長いですし、幸い、連戦で次のゲームもすぐにあるので、気持ちを切り替えて、またフレッシュな気持ちで、次節のナビスコカップに向かっていきたいと思っています。
■相手がシステムを変えた後にこちらもシステムを変えて対応したことについて、特に小林選手が投入された後に、守備の優先順位を変えたところはありましたか。
まず、後半の頭から(川崎Fが)4-4-2にしていると理解しています。それに対して、「おそらく、そう来るよ」という話を選手ともして、「まず我々も4-4のブロックをしっかり組んだところから行きましょう」と。「それでもやはり、出どころのところにフタができない、あるいは我々の使われたくないゾーンに相手がいるといったふうになれば、富田をアンカーに置いて対応しようよ」という話をしました。
そして、私が感じたタイミングと選手が感じたタイミングがほぼ合致していたので、すぐにその4-1-4-1に推移していったと感じています。それは小林選手投入前の話と私は理解しています。
守備の優先順位ですけれども、当然、高い位置で奪えればそれがベストですし、そのようなアプローチがやれれば当然よかったのですけれども、少し押しこまれた中でも前に出ていくパワーというものは割と出ていたと思うので、コンパクトさを崩しさえしなければ、きちんと守れていると私は認識していました。
残念ながら少しずつ間が空いてきて、間というのは横のラインで、横のラインが空いてきて、中央のスルーパスを通されたというところが、何回か出てしまったので、そのあたりは、当然川崎さんのうまさというものもあるのですけれども、今までのゲームではほぼなかったようなかたちで裏を取られたことがあったので、十分に反省してまた次に生かせればと思っています。
■2失点した後の攻撃の迫力は今シーズンでは一番だったのではないかと思うのですが、DFの多々良選手が得点したことでそういった「賢攻」の部分が徐々に出せているという手応えはありますか。
まず、取られて取り返そうと思えば攻撃のパワーは当然増えますし、今までで一番そこが良かったかというと、私の中ではそうは思わないので、もっともっといいときもあったとは思っています。
その中で、賢く攻めるといったところでのいろいろなアイディア、しかけ、そこでの共通理解やコンビネーションといったところでは、あの得点シーンには凝縮されていたかなと思います。前節では鎌田が流れの中であそこにいて、今日は(多々良)敦斗がサイドバックの位置からあそこまで進入することができていました。
当然、それが拮抗した中でもそれがやれる判断と、全員の共通理解が合えばなお良いと思いますし、そういった攻撃の迫力というところも、トレーニングで積んでいきたいと思っています。
■前節の横浜FM戦から終盤の失点が続いていますが、それに対して監督はどう理解していますか。
今日のゲームに限っては、終盤の失点の前、逆転されるところの方が問題視しなければいけないかな、と私は思っています。むしろ、今日は終盤に我々はなぜ追いつけなかったのか、というところにフォーカスするのも一つだと思いますし、必ずしも終盤の失点というところにクローズアップする必要は私はないと思っています。
■レナト選手にサイドを突破される場面がありましたが、多々良選手を残すほかに、交代という選択肢は考えていませんでしたか。
敦斗を交代する、ということは特には考えていませんでした。前半が終わってハーフタイムに選手たちに話をしたのは、前半のピンチを招いていたシーンというのは、ほとんどが個ではがされた後の局面だったんですね。それに対して後半に臨むにあたり、その個の局面ではがされるところで行くのか行かないのかという判断をしましょう、というような話をしました。
しかしながら、ボールを奪おうと思えば、やはり行くという行動がなければボールは奪えないので、最後の失点のところも敦斗が一つ我慢していればもしかしたら防げたのかもしれないというところもあったとも思うのですけれども、あそこで敦斗がボールを奪って、レナト選手と入れ替われば我々にチャンスが訪れていたのかもしれませんし、そこの決断というものを尊重したいと思います。
ではそれをせずに後ろに我慢していればいいのかというと、我々はボールを奪いに行くというところをキャンプから掲げてやっていますので、そこは局面での判断になってくるとは思いますけれども、そういったところをまたトレーニングで全体として詰めることができれば、これからもっともっと手堅くなるとは思っています。
■ここまでは(明治安田J1の)5試合で3失点でしたが、今日は1試合で3失点したことについては監督はどう考えていますか。
もちろん川崎Fさんの攻撃力というものは、当然その3失点の要因のひとつとしては十二分にあるとは思います。我々が隙を与えてしまったシーンもあったと思いますけれども、その隙を与えたかたちが、今に申し上げたとおり、ボールを奪おうとしたところの判断のミスなのか、あるいは本来閉めるべき所を閉められなかったポジショニングのミスなのか、また映像を見て反省、分析しなければいけないところなのですけれども、もちろん、もっと手堅く、手堅く、といったところを考えれば、今日の3失点というのは十二分に反省しなければいけないと思っています。
そこに対して、もちろん、まず我々はコンパクトにやれること、オープンになる相手に付き合わないということが当然必要になってくると思います。それは攻守におけるゲームコントロールといったところにも繋がると思いますし、今日も本当にいろいろな宿題を川崎Fさんに与えていただいたので、我々が成長するために一つひとつ克服しながら進んでいきたいと思います。