第24節 湘南ベルマーレ
<総括>
今日のゲームでは強風警報が出ていて、湘南にとっては神風が吹いて、我々にとってはそれが災いしたような失点を重ねてしまったところだと思います。
湘南が残留争いをしている甲府に勝たれて水を空けられた状況でのダメージという中、そして柏戦でのシステムの変遷でいろいろ試したのに対して、はっきり言って何をやってくるんだろうという、不気味な節でもありました。
それに対して自分達は、アウェイの戦い方で、自分達に厳しさを持ちながら、タフな戦いを覚悟して、そのなかで攻めこんだときにもう少し相手陣で揺さぶるような作りをできれば、前半のうちにクロスからという点は、あの1点以外にも生み出せたのかな、と思います。やり切る攻撃が多くて、逆に湘南が2シャドーをうまく使って厚い攻撃をしてきたことで、我々は前半に動かされてしまいました。それで後半には、またセットプレーから1点を取られたのに対して、その後の我々の攻撃のテンポやリズムは、少しスピードアップした中で示したパフォーマンスには、「良かったぞ」と選手たちに話してきました。あれをイーブンのうちにやれるかどうかが我々の課題です。
これからの残り10戦で、今日の追い上げようとする姿勢は示さなければいけないものでもあります。「今日示したものを、残り10戦で我々はぜひ示して、挽回していこう」という話をしました。こういった負け方も、負けるときには不運な失点もありますけれども、残り10戦あるので、それに対して前向きというか、悔しさを忘れずに、勝ちきれるチームを目指して頑張ります。
■3失点は仙台としては珍しいのですが、疲れが溜まっているところもあるのでしょうか?
いいえ。これまでにも(林)卓人にはいろいろなビッグセーブをしてもらいながらここまで進んでいますから、そのなかでもたまたまこの一試合に集中して起きたのかなとも感じるし、逆になかなか自分達もセットプレーでの失点はここのところ無かったのですが、残り10戦に向けてそこを修正しようというシグナルなのかと取りたいし、チームとしてこれから、今日の負けの挽回を全員でカバーしていければいいと思います。
取られたものは仕方がありません。ただし、3点目を取れるチャンスがありながら取れなかった敗戦というものを考えれば、みんなで解決していく必要があると思います。
■天皇杯を挟む次までの期間をどのように使いますか。
みんなのコンディションをしっかり戻して、今日の後半に見せたような活動量と流動性というものをもう一回底上げして、また誰が出てもいいようにします。
これからの10戦は隔週で試合があるので、ベストな状態で一戦一戦を挑める状況にして、あとはそのときにいい状態の選手をピックアップするのが自分の役目だと思っています。我々の選手はやってくれると思います。
■赤嶺選手の見通しはいかがですか。
前節にC大阪戦で赤嶺を外して、その状況でC大阪と引き分けたゲームも、内容的には満足がいくものでした。そのなかで赤嶺は今節も外して、ハムストリングの故障から復帰してきた彼自身が、活動量とスプリント能力を少し欠いていたので、今節まで休ませて、「残り10戦で天皇杯をからめて復調を目指していこう」と話をして残してきましたから、負けたときに外された選手は、その宿るパワーを彼には期待したいと思います。
■1-3になった後にサイドから攻めて複数得点ができましたが、攻撃で良かったところはどのような部分でしょうか。また、試合後に頭を抱えていた時の心境は。
まず、少し押しこむことができたので、外から押しこむしかないということで、前節に(湘南が)柏にクロスから3失点しているので、それは本当に前半からやり続けていたことですが、後半にはそのかたちを示せました。そこに持っていくまで、武藤の、パスを探すだけでなくて、一対一を織り交ぜたり、コンビネーションを織り交ぜたり、という攻撃のテンポが上がったことに対して、「これからの戦いに可能性を感じたよ」ということは選手たちにしてきました。そうなったときのオプションとして、中原はこれからまた状態を良くしてくれればと思います。
頭を抱えたのは、やはり負けたら頭が痛いですよ。そのなかで、今日のこの夏休み最後の、関東では夏休み最後で、仙台ではもう始まっていますけれど、競技場で作り出すサポーターの雰囲気にやられたとものすごく実感しています。一巡目から、勝てなかったチームを勝たせる悪いくせが今日も出たと感じています。
でも、湘南とはずっとJ2時代からしのぎを削ってきた仲で、特に勝ったり負けたりしている相手ですから、このホームでの彼らの雰囲気作りは、残留に対してものすごく一体感を感じたゲームでもあったと感じています。でも自分達もここから、我々のサポーターの作り出してくれる雰囲気がそれ以上のものがあると信じていますから、10戦全部勝つつもりでやります。
■後半から4-3-3にしたのは、前半に足りなかったサイドの揺さぶりを強める意図でしょうか。
彼らの3-4-3の攻撃が流れの中で4バックになります。基本的には。そのときに3トップ気味、4-5-1にして、ワイドの選手を4バック気味になった選手にかけたいという意味で、2トップでスタートした武藤と、サイドハーフでスタートした太田をそのポジションに据えることによって、相手の菊池選手と大竹選手、前半にうるさかった二人を、押さえなければ勢いに乗せてしまうということで、システムを変えました。
そうなったことで、流れを引き寄せる可能性はあったのですが、流れ以外のセットプレーでやられたのが少し悔やまれます。