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試合日程/結果

第11節 大宮アルディージャ

<手倉森誠監督記者会見>

<総括>

 今日の試合は本当にビッグゲームで、どこが大宮を止めるのかという試合でした。「自分達は、我々の手で、足でというか、それを成し遂げよう。今の負けなしで首位を走っているチームに勝つことができれば、『我々もまた優勝を目指しているチームなんだ』という資質を証明することができる。最少失点のチームに穴を空けること、そして首位を走っているチームを(失点と)0に抑えること。そうすれば我々の、今年こそ優勝を目指しているんだという資質を証明できる」という内容の話をして、挑ませました。
 これまで、大宮の前で沈んできたチームに対して、少し大宮に自由にサッカーをやらせていた部分があったのかな、ということをスカウティングして、「我々は積極的に前からプレッシャーをかけにいこう」という話をしてゲームに入りました。
 うまくはまって、前半はパーフェクトで、点も取って0に抑えて、というようなサッカーができました。後半は、止めを刺しにいく部分と、凌がなければならないという部分とで共通理解に少しずれが生じて、ノヴァコヴィッチ選手とズラタン選手にボールが入りやすくなりました。それで招いたピンチ、あとは、(渡辺)広大がコンタクトを外している間にやられたというところで、隙を与えてしまったこと。逆に、隙を与えてしまえば、そこを突いてくる大宮の力は相当なものだと思いましたし、「そこは反省しながら次に進まなければならない」という話もしました。
 大宮を止めることに期待して集まってくれたサポーターの後押しもものすごく後押しになりましたし、ものすごくエネルギーを出し惜しみなく出した選手たちが90分間やりきれたということは、周りの期待のエネルギーによってだと感謝しています。
 5月の試合はホームのこの一試合しかなかったので、ぜひ勝ちたかったし、中断までのアウェイでのゲームを、5月は全部勝って、進んでいけるように準備していきたいと思います。

■セットプレーからのゴールとウイルソン選手のゴールと、2ゴールをそれぞれ振り返ってください。

 まずはやはり、セットプレーが我々のストロング(ポイント)でもあるし、こじ開けるチャンスでもあるなというところで、赤嶺が抜け目なくあのこぼれ球を狙ってくれていました。あとは、時間帯も良かったことと、試合開始と同時に雨が降ってくれたことで、あのゆるいシュートがスリップして流れこんでくれたというラッキーさもありました。
 ウイルソンの場合は、大宮にとってはダメージを与える時間帯でのゴールで、カウンターに我々も狙いとして持っていた中で、彼の単独ドリブルでしたけれど、彼の、仕掛けるという気持ちがそのままゴールにつながっていたと思いますから、良かったと思います。

■試合後に手倉森監督の方からベルデニック監督の方に握手を求めにいっていたように見えましたが。

 いや、60歳を越えた監督をこちらに歩かせるわけにはいかなかったので、こちらからいかないと。ベガルタ時代の師匠なので。試合前にも「いいゲームをしよう」と声をかけてもらったので、本当に、対戦できて嬉しかったし、ベガルタ仙台がこうして成長しているということを、ベルデニック監督にも示したかったので、勝って恩返しできて良かったです。

■前半にかなりセカンドボールを拾えていた要因は何でしょうか。

 気持ちですね。
 自分達が止めるんだというところで気持ちが入っていたし、「攻守に対してメリハリをつけよう。一人ひとりに決断力がなければそれができない」という話もしていました。そういう意味では、どっちにボールが転がるかというところでのこのボールは我々が拾うんだという決断力で、我々の出足も良かったのかな、と思います。前節からそういったところの意識をつけて、できて、それを二戦続けてやれたことは、また大きな自信になると思います。

■「前半はパーフェクト」というなかで、ミドルシュートなどシュートで終わるかたちができていました。それは、相手のカウンターも含めて意識が高かったのでしょうか。

 はい、その通りです。
 前半はシュートをやりきることを徹底しました。大宮もやはりチョ ヨンチョル選手、渡邉大剛選手、三列目からは青木選手が、あの外国人2トップに対してフォローアップしてくる速さが一級品ですから、シュートで終わらないことにはその餌食になってしまうので。ほかのチームがやられてしまっていることを自分達が繰り返したら、我々も彼らの不敗記録に寄与することになると思いますから、やりきりました。

■ACLで敗退したあとに思い切りの良さが戻ってきたと監督は考えますか。

 本当に、ACLを失って、名古屋戦から「リスタートだ」という話をしました。その思いの中には、あのACLでの悔しい敗戦を忘れてはいけないし、その鬱憤を晴らし続けることをして、何としても来年もACLに出たいと。「この間の借りを返したい。だったら、Jリーグでも勝ち続けなければいけない」という話をして、まだ二つですけれど、二つで結果を出している。あとはまたこれをやり続けるだけだと思いますから、本当に、気持ちの部分でも、実際にスケジュールも緩やかになったし、5月の戦いのなかで、逆にACLに敗退した我々が、Jリーグ組がJリーグヤマザキナビスコカップを戦っている間に、Jリーグを戦える状況なので、負けるわけにはいかないシチュエーションというものがありますから、自分達は今日のようなパフォーマンスをやり続けて、勝点3を積み上げていきたいと思います。

■前半を終わった時点で、後半はひょっとしたら角田選手と鎌田選手がいなくなってしまうのではないかと思うぐらい激しくいっていたようです。あのくらいの激しさでも監督にとってはOKだと思いましたか。

 カードを出されたくはないですけれど、あれでカードが出るなら相手にカードが出るようなシーンもありましたし、繰り返しのファウルも大宮にもありました。カードをもらわないように激しくやるということはこれから少し修正しなければいけない。シーズンが長ければまた、そこに選手の出入りや出場停止があるのはいいことではないですから。
 でも、(鎌田)次郎と角田が一枚もらったあとの対応力や、もうこれ以上もらわないという冷静さは充分あったと思います。ハーフタイムに、「気をつけろよ」と言ったら、ものすごい気合いの入った声で「冷静ですから」と言っていて、「本当に冷静かな」と思ったのですが、45分を終わったら冷静だったというところです。

■角田選手と富田選手が戻ってから調子が上がってきたのでは。

 確かにそうですね。  ACLがなくなったことで、彼らが出たり出なかったりというところで、力になりきれなかった自分達が、ここからやろうというところの姿勢が、ものすごく見えるし、本当に、今どこのチームも攻撃の優先順位が高くて、前にボールを入れたがるのに対して、そこに対してのケアがこのコンビがものすごく上がってきたと思っていますから、相手をこれからもてこずらせるようなディフェンスを継続してもらいたいと思います。

■試合前半を通してプレッシングが効きました。特に2トップが相手GKにまでプレッシャーをかけていたのには細かい指示があったのでしょうか。

 大宮のカウンターとポゼッションに、うまさを感じてまず自分達がブロックを組むようなことがあれば、そのうまさがより引き出される。なおかつ、ノヴァコヴィッチ選手とズラタン選手を、よりバイタル(エリア)におさめてしまうことになればそちらの方が危険なので、なるべくディフェンスラインとキーパーにもプレッシャーをかけようと。そして、いった先に、確実につなげることよりも、クリアさせたり蹴らせたり、そこにチャレンジさせる方が今の大宮に対しては分があると判断して、選手たちはやってくれました。