第9節 浦和レッズ
<総括>
まず、「今日の対戦は、ACL(を戦った)組対決だ」と。「そこにACLで育まれたタフさやたくましさがお互いにぶつかる激しいゲームになるだろう」という話をして送り出しました。
「今の、攻撃が好調な浦和に対して(失点)0で抑えること、そして、3位のチームに対してしっかりゴールを決めて勝つことを目指して、自分達にもそれくらいの力があることを示そう」として挑んだ試合で、その中でも戦術的には浦和のストロング(ポイント)とウィーク(ポイント)をしっかり理解して戦おう、と。
「まず、今の浦和はカウンターからの得点が非常に多く、そこに対してのリスクマネジメントと切り替えで、押し込んだ時にウィングバックと3バックの間をはがすと、もっとラインが下がるというところに対して、強気で潜りこんでいこう」と話をして、その中で自分達も、逆に言えば人数をかけてきた攻撃に対して、カウンター狙いの中でポゼッションをどう使い分けるかというところで、ミーティングで話をして、ゲームはおおよそそんな流れだったと思います。
ただし、もう少し揺さぶった中で、決定的なラストパスや大胆なクロスというところで少し慎重になりすぎたのではないかと。攻勢に出ながら、メンバー交代が負傷で必要になってきた時に、パワーアップしていければ、というところで、両サイドバックが代わることになって、与えたPK、その流れでつぶせるところでつぶせなかったところが非常に残念だったと思いますけれども、それでも最初に1点を取られた後にまた前への意識を強めて、ヘベルチがあれだけ攻めこんでいて足りなかったシュートを示して同点に追いつけたというところは、2試合点を取れなかった我々にとってはひとつ、これから攻撃でも点を取れるぞというようなところを示せたシーンだったかなと思います。
今日、相手を動かしたところを見れば、(勝点)3を取れたようなゲームだったかもしれませんけれども、敵地で今の3位を相手に(勝点)1を取れたことをよしとして、中断明けの残り21戦にかけていきたいと思います。
■菅井選手の交代は、ある程度「ここまで」という計算のもとでのものでしたか。それともアクシデントによるものでしたか。
まずは「やれるところまで」というところで話はしていましたから、そこで「ここまでです」ということだったので、それ以上無理させて逆に失点もしたくなかったし、けがもされたくないということもありました。ただし、代わったメンバーがPKにしたことはちょっと悔しいですけれども。
■いろいろお話しいただきましたが、正直なところ、この試合内容で勝点3が取れなかったのは悔しいのではないでしょうか。
悔しいですよ。決定的なチャンスもありましたし、ウイルソンのシュートも何本か、今日のピッチコンディションも見てグラウンダーだったのが入れば、というものを、相手のGKにうまくセーブされたというところがありますけれど。
動きの中でも、ボールの動かし方でも、あとはピッチから聞こえる選手たちのコミュニケーションを見ていても、どう見ても我々の方が優位に立てていたと感じるので、そんなときに(勝点)3を取れなければなかなか上位(との差)は詰まっていかないので、この悔しさを糧にして、しっかり勝ちきれるチームになっていきたいと思います。
■角田選手が出場停止だったためにそのポジションで松下選手と和田選手が準備してきましたが、最終的に先発に松下選手を起用した理由を教えてください。
まず、浦和が興梠選手、柏木選手、原口選手というところにボールを入れたがるので、そこに対して入れさせない守備ということで松下の方に分があったので、そこを押さえることで相手はサイドにしかつけられない状況に対してスライドした先にボランチがひとつ、最終ラインに入りこんできたシャドーについていくか、いかないかという判断が、松下の方が良かったので、松下にしました。
■浦和の守備が5バック気味になった時に攻めのかたちがなかなか作れなかった課題についてと、中断期間までに勝敗が五分で引き分けが多かったことへの評価をお願いします。
まず、浦和は5バックになることは分かっていることで、その中で前半に3バックとウィングバックの逆サイドのところで、今日でいえば関口選手のところで右からのクロスを狙いながらというところを何回かやったのですけれど、その精度を欠いてしまいました。
でも、その攻撃と、もう少し逆サイドの中列を使って逆に関口選手や梅崎選手を釣り出すようなことをして、やれればというところはハーフタイムでも指示したのですが、そのなかで足下からユニットを破る動きで、少しアタッカー陣の精度を上げていかなければならないと思います。
梁も久しぶりのゲームに出て、逆に足下で受ける方が多かったですね。彼は実際に抜け出す方が特徴のあるプレーヤーなので、彼がまた全快すればそういった攻撃ができます。
中断前に星は五分でいいと言わなければ良かったと思います。最近は言ったことがそのままになっているので。でも本当に、ACLを戦いながら、ここまでの戦いで五分でいて、残りの21戦でしっかり挽回していけるように、今年はスタートダッシュがうまくいきませんでしたが、逆にはい上がる力を示していきたいと思います。
■あらためて前半戦(中断期間前)の戦いを振り返ると。
星は五分だったので、本当にACLを戦いながらメンバーも、珍しくここまでそろわない時期が続いたな、とも感じているし、試合を進めながら、今度は(警告)累積がそろそろ関わってくるような時期で、自分なりにはうまくここまでやりくりできたと思いますけれど、その中でもピッチの中でプレーする選手がたくさんいたことに関しては、この期間で成長してくれているだろうと思いますし、また、よりみんな後半戦に向けてモチベーションを持っている選手がたくさんいるので、そこにかけてやっていきたいと思います。