第7節 川崎フロンターレ
<総括>
去年のリーグ戦でも最初に対戦した時のようなシチュエーションで、「勝っていない、低迷しているチームを相手に、蘇らせてはならない」という話をして、勢いを持って入るのはもちろん、今の状態によれば、我々の方だと。ただし、「ここからだ」という川崎の思いを考えれば、立ち上がりに来るだろう、というところは、ゲームの入り方の部分でのコントロールというところで自分達は気をつけていたところだし、「90分を通して彼らに勢いを与えるのは、カウンターをさせることだ。そこは充分警戒しなければいけない」という話をして入りました。
立ち上がりに、確かに勢いのある攻撃をしのいで、1点を取られたのはまさにそのカウンターからだった。2点目はPK、3点目はまたカウンターからというところで、1点のビハインドから2点目を取られた時から、コレクティブさを失って、一人ひとりが頑張るようになってきたところで、バランスを失ってしまっての3失点です。
前半で3点を取られたのは初めてですけれど、そんななかでも最後の45分は、「川崎が3点を取れたのだから自分達が取れないことはないだろう」というところで送り出して、「後半は勝ちに行け」と。結果、追いつくことはできませんでしたけれども、その状況の中でもまた後半45分間に結束して戦ってみせたところが次のゲームにつながってくれればと思いますし、今日招いた敗戦というものは我々が自ら招いたものだというところをいい教訓にして、コレクティブさを失えば、我々もこういったゲームをしうるんだということを今日は教えられたと思いますから。
次から次と試合が来るので、ここを切り替えて、ACLで今日の負けの鬱憤を晴らしてきたいと思います。
■1点を失った後は特にミスが多かったのですが、前半の悪かったところは特にどのようなところにありますか。
まず、勢いを持ってゲームに入りたいものでしたが、それをしのいだあとに、フロンターレは一気にブロックを組み始めました。そのなかで自分達は持たされた状況で、自分達はしかけてシュートで終わらないといけない。スカウティングの中でフロンターレはクロスに弱いということは、我々も突きたいところです。入れられる時に入れない、ボックスの中にボールを送らずに戻し気味のボール、横パスをかっさらわれて失点を食らったので、そういったところで、相手が構えたところの大胆さがもったいなかったな、と思います。
結局、後半にボックスに入ること、ゴール前に行くこと、ラストパスやシュートを打つことをしたら、2点を取れました。そういう意味で、フロンターレがブロックの守備に切り替わった瞬間に、自分達が大事にやろうとしすぎたところで、プラス、ミス、精度を書いたプレーが出てしまった。やはりミスを突かれれば失点になるし、逆に自分達は彼らのミスを突けなかった前半でした。やはりもったいなかったと思います。
■フロンターレがクロスに弱いとおっしゃいました。昨年もクロスから得点していますが、前半はクロスがなく、後半はクロスでチャンスを作っていました。ハーフタイムでそういう指示をなさったのでしょうか。
ハーフタイムで指示をしました。「もっとシンプルにやれ」と。前半の我々がボールを握っている時だって、絶対に相手は嫌がっていないし怖がっていないし、そこには我々が前半はつながさせられたこと、フロンターレはまず入れさせない守備というものをやってきたんだろうな、と思います。そこに対して入れずに戻したボール、横に入れ直したボールを取られて、一気にカウンターを受けました。
わかっていながら、つながれなければ、という意識を高めすぎて招いたものだと思います。やはり、つなぎ通して勝てるサッカーはバルセロナしかいないと思いますから、やはりゴールに向かわなければいけないと、痛く感じますね。
■赤嶺選手が後半から復帰しましたが、彼のプレーがどうだったか、次の試合からスタメンでいけそうかどうかを教えてください。
「次の試合で赤嶺をスタメンにします」とはこの場では言えませんよね。対戦相手もスカウティングしますから。今日の後半の出来を見れば、充分に状態が戻ってきているな、と。若干プレッシャーをかけられた中でのアバウトなボールをしっかり懐に収めて、自分達の押し上げの時間を作ってくれるあたりは、彼本来の力というものは出してくれたと思います。クロスの中でも、飛びこんでゴールしそうなシーンもありましたけれども、このままの状態を、ACLも使ってみてどうなるかというところを見ていきたいと思います。
■今日は川崎が今までの試合よりプレッシャーをかけてきて、シンプルにスペースを使ってきました。想定はしていたとは思いますが、予想以上でしたか。
想定内です。自分達がそういうところをわかっていながら、実際に相手のユニット内で動かそうとした部分で、我々がミスをした部分があります。ちょっとしたずれで。川崎はプレッシャーをかけてくる時に、まず2トップとサイドハーフの4人は第一DFとして我々の最終ラインにかかってきますから。我々のFWのアクションに対しては、最終ラインは裏を取られまいとするのが彼らのオーガナイズで、となれば、中列のところのスペースでいかにおさめられるかということを、うまく人をからめられれば、というところで、ラストパスを出せるゲームプランでした。
その「作り」のところでのミスです。結局それで、作っている間に、一回4人でプレッシャーをかけてきて、背中を取られたFWが戻ってきたところを取られているというところでしたから。そういう意味で、戻りきる前にやりきることをしなかったというところが、我々の反省だと思います。
■失点を重ねる中でオーガナイズを欠いたというところで、監督からも指示やハーフタイムの交代で修正がはかられましたが、その前にピッチ上の選手たちでもっと早めに解決できたということも反省点としてありませんでしたか。
確かに、みんながつなごうと判断して、その先のミスでしたから、そこはみんながまたトレーニングで高めていけばいいと思います。でも、やはり大事にサッカーをすることと大胆にサッカーをすることとはまた違いますから。
そこでハーフタイムに言ったのは「ここは敵地だ」ということでした。「自分達がボールを握って握り通して点を取れるような甘い場所ではない」という話をしました。やはり、隙を突くくらいの覚悟で挑まなければいけないし、逆に自分達からボールを持っている時に隙を与えてはいけないということですから、そこらへんの、自分達がピッチに立った時のシチュエーションというものを、もう少し考えてやらなければいけません。
逆に我々がいいプレーをできなくても、相手にもいいプレーをさせないくらいのしたたかさでアウェイを戦わなければいけないということを、去年も一昨年もやれたわけですから、今は(ACLとJ1で)2連勝したことで「我々の強さを示そう」と言っていたわけですけれども、「うまさを示そう」と「強さを示そう」は別ですから、チームとして理解させたいな、と思います。