<総括>
悔しいです。今日のゲームはJリーグの首位攻防戦、天王山という位置づけで迎えた残り10戦のひとつで、我々としては敵地に乗りこんで首位として引き離すチャンスでもあったのですが、首位攻防戦というところにとらわれず、普段これまで積み重ねてきたものをしっかり表現しよう、広島のスタイルと我々のスタイルはいずれもコレクティブさのある戦いどうしで、いかにコレクティブに戦えるか、いかに隙を与えずに隙を突けるかという試合になる、と。 前半に戦術・技術だけではなく、駆け引きというメンタリティも絡み合った非常に固いゲームだったな、と感じています。ただ、それも覚悟していたし、我々はアウェイに乗りこんで内容よりも勝負にこだわって相手との駆け引きをしっかりやろうとしました。 後半に、ゲームが動き出す。おそらく広島も我々もそんな考えの中で後半の45分が始まって、序盤の雨が災いした失点というところが悔しかったな、と。同点に追いついて、我々のしぶとさというところを表現できたところは良かったのですが、決勝点を奪われたところに対しては、これだけ集まった広島サポーターの力もうまく作用したのだろうなと感じています。 今日が最終節であればゾッとする結果ですけれど、まだまだ残り9戦あるので、自分たちとしては今日のアウェイでの悔しさというものを次にしっかりぶつけて、広島に離されないようについていければいいと思うし、広島が今日勝ったことで、2位の我々との勝点差は2ですけれど、これで逆に言えば3位以下のチームも可能性を増したわけだし、Jリーグはまだまだ楽しいぞ、というところだと思います。
■赤嶺選手のゴールがあって最低でも引き分けに持ちこみたいところでしたが、2失点してしまったディフェンス面についてはどう感じていますか。
どちらも、取られ方の部分が悔しい状況だったな、と。しっかりやれて、相手陣(内)でサッカーができるという状況から、一転して自陣のゴール前までこられたというところが、やはり悔しかったというところと、それでも後半にゲームを動かそうとしたのは我々だったし、後半から少しプレッシャーを強めて、取って前に飛び出すというところは、姿勢を出そうとしたのは我々だったし、そういうふうにしたときにやはり何かが返ってきて、それがいい方に返ってくるのか、また逆手にとられるのかというのがサッカーだし、少なくとも我々がアクションをしてみせたというところで、ただ、痛い目に遭ったのは我々だったということでした。今日は痛い目に遭うべきだったのだろうと思うし、残り9戦でこのような失点のしかたをしないようにすればいいだけだと、糧にするだけです。
■広島に2点目を取られた後に柳沢選手を投入して配置換えをしたのは、リード後の広島が想像以上にサイドのスペースを固めてきたためでしょうか。
そうですね。ウイルソンを今日、下げました。そこには、確かにボールは収まるのだけれど、スピード感というところが少し物足りなさを感じました。取った後に、切れ、飛び出すスピード、というところに対して、関口、ヤナギ(柳沢)というところが表現してくれれば、じゃっかん足下が止まった彼らの5バックのシステムに対して効くだろうと投入し始めたのですが、それでダメだったら中原だ、というプランだったし、そういう意味で、やることはやり尽くした結果だと思っていますから、それでも太田のアシストも生まれて、ヤナギもあわよくばというシュートも打てて、そういったところで全員がまだ万全であるということを示せたと思います。やり続けることで、また途中から出た選手達が点を取れれば、また勢いが出ると思います。選手を信じて、やり続けたいと思います。
■48分の失点は森崎和幸選手をあれだけフリーにして、今までの仙台では考えられなかったのですが、焦りが出てしまったということなのでしょうか。
川崎F戦も(中村)憲剛にいいアシストをされて、飛びこまれたし、あのときも第一ディフェンダーをはっきりさせられなかったので、ちょっとゲームの中でそういったエアポケットのようなシーンというものが出る、そこにはやはり(ボールの)失い方というのがからんでいるのだと思います。ただ本当に、長い時間にずっと持ち出されたときに何でボールを握れなかったのかということに対しては、おそらくそこには(佐藤)寿人選手、高萩選手という、前線に位置する選手たちの方に動きがいったのかな、と感じています。やはりゲームが膠着しているなかでも一瞬の閃きやコンビネーションは、広島の1トップ2シャドーにはありますから、そこにちょっとなびいた結果だなとは思っています。
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